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串勝恵比須

串勝のお店の前に鎮座されている恵比須さんです。

串勝恵比須3

鎮座地:佐賀市松原2丁目11-14
像高:36cm・半跏
光背を背負った半肉彫り像です。
右手に竿、左手に鯛を抱えています。右肩から鱗まで描かれた、立派な鯛の尾鰭が見えます。胸に宝珠があります。

串勝恵比須2

鼻は欠けてしまっていますが、胸の宝珠は綺麗に残っています。光背は四角にみえますが、元々は舟形で、上部が欠損しているようです。
天山のお神酒とお塩と榊が供えられていました。風化が進んでいますが、お店の方や地元の方々が大変大切にされているようです。恵比須さんは、ずっとやさしい表情で見守っていらっしゃいます。

串勝恵比須1

松原川を眺め街を見守る

今年も「佐賀城下ひなまつり」が賑やかに18日から行われています。その周遊コースに、この鯛えびす、別名「安座えびす」さんがいらっしゃいます。松原川のせせらぎを聞きながら、佐嘉神社や松原神社を80年余り見守ってきました。
塩田石と呼ばれる安山岩でできていて痛みが激しく、特に鼻から足元までが傷んでいます。舟形だったと思われる光背も壊れて補修のあとが残っています。
このえびすさんが鎮座している味どころ「串勝」の店主、山田さん一家は長年、割烹「奴」、味どころ「勝」、そして「串勝」と屋号を変えて、この「安座えびす」さんの歴史とともに営んできました。
70年ごろ、周辺6軒ほどが火災になってこの店だけが残ったのは、店主が毎日欠かすことなく、塩、ごっくうさん(お供え物)やお茶をあげ、もちろん榊やお神酒も忘れず、商売繁盛を願ってこられたことの御利益があったのでしょう。
松原川には「子供たちを水難から守る」カッパさんたちがいらっしゃいます。また、ひなまつり期間中の3月4.5日には燈籠流し雛が願いを込めて流されます。
長年この松原川を眺めてきた安座恵比須はカッパさんたちと灯籠流し雛とのコラボレーションを行って、町とお店の繁盛を願っています。今日も観光ボランティアの案内で、長い福耳と、なでると幸せがくるという宝珠で迎え、訪れる方たちの一人ひとりの幸せを願っています。[文:永原光彦](現地案内板より)


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