大興善寺公園の紅葉
大興善寺の山寺の風情と紅葉の織りなす景色は圧巻です。毎年11月中旬から12月初旬にかけてが紅葉の見頃となっています。大興善寺の境内には500本のもみじの木があります。他にも銀杏の木などもあり、色とりどりの紅葉が一帯を錦色に染めます。
中根金作先生造園による石庭と清流が見所の場所でしたが、2005年に新たに日本庭園が造園されていました。気持ちがいい位まっすぐに伸びた杉の木立、色彩豊かなつつじの花々、更に彩りを添える様々な草花、粋に配置された石組、清らかな清流、優しい木漏れ日、それらが醸し出す静寂の中の華やかさ、素晴らしい景色です。
参拝当日は、生憎の雨で、傘を差しながらの撮影となりました。
中根金作先生造園による石庭と清流が見所の場所でしたが、2005年に新たに日本庭園が造園されていました。春のつつじの頃とはまた違った雰囲気です。苔むした石、天衣無縫に伸びている枝、段々と色づく紅葉、清らかな清流、静かな秋です。静寂の中に自然の力強さを感じます。
春は、色彩豊かなつつじの花々にみとれていましたが、秋は、各々の木々の美しさが目立ちます。枝振りの良さに思わずみとれてしまいました。上の写真の左手前の方の木、特に枝振りが美しく、紅葉が背景になり、幹や枝が黒くクローズアップされ、木の美しさがひきたっていました。
しかし、雨の日には雨の日によさもありました。紅葉した葉っぱがしっとりと濡れ、雫が落ちる様もまた乙なものでした。自然というのは本当にありがたいものです。
真っ赤に紅葉したもみじ
公園(裏山)をどんどん登っていくと、もみじは真っ赤に紅葉していました。公園の上の方の左手には子宝船と呼ばれる石(岩)があり、右手の方には石の上にも百年の木があります。上っていく途中も綺麗に紅葉していて、見応えがありました。
笠傾げ
大興善寺の第97世御住職がよくおっしゃっていますが、「一期一会の紅葉をお楽しみください」という言葉の深さを感じます。公園の山の上の方の細い道をお互い傘をさしてすれ違う時、暗黙の了解で、お互い傘を少し斜めに傾けて、相手に雫がかかったり、傘が触れたり、ぶつかったりしないように気を配りながら、軽く会釈をしてすれ違いました。この様な光景を「傘傾げ(かさかしげ)」と呼ぶそうです。本当に一期一会の出会いで、どちらのどなた様かも存じませんが、そこには確かに思いやりと優しさと、爽やかで心地よい一時が存在しました。
これは雨が降っていたからこその出来事でした。これも御住職がおっしゃる「一期一会の紅葉をお楽しみください」という言葉の奥にある事象なのかもしれません。
また、すれ違いざまに、「あいにくのお天気ですね」とか、「今年の紅葉も素晴らしいですね」とか、「上の方はもっと真っ赤に紅葉していましたよ」とか、「もう少し上ると石の上にも百年の木がありますよ」などと、さりげなく声を掛けてくださる方々もたくさんいらっしゃって、「あ~これも一期一会の一幕なんだ~」と感動しながら雨の紅葉を楽しんできました。
もみじの木を植えてくださった方々、管理されている大興善寺の方々、関係者の方々、そして今日出会った方々、皆様に感謝です。ありがとうございます。
石と落ち葉
石の上にも百年の樹
お茶処から左手に上り、木の根道をどんどん上り、朝日ヶ丘や展望所を過ぎ、あなたの小庭も過ぎて、そのずっと上の方に石の上に100年の木が踏ん張っています。石の上にも三年とはよく言われますが、百年とは畏れ多い。いや~立派です。ま~何事も辛抱が大切ですが、ここまで辛抱すると超越していますね。石の上に百年とまでは無理ですが、何十年位までは頑張ってみます。
現地の案内板には、「コバンモチ・ホルトの木」と書かれていました。コバンモチは、ホルトノキ科 ホルトノキ属の木です。コバンモチの名前は、葉っぱの形が小判にみえるからといわれています。この石の上にも百年の木まで結構な距離でしたし、あまりにも大きな石に圧倒されて、葉っぱのアップの写真を撮るのを忘れていました。
紅葉のシーズンは、ライトアップされます。これがまた素晴らしいです。朱く色づいたイロハモミジ約500本と風情漂う花見堂、花見堂へと続く道の脇には、足元を仄かにに照らす竹灯籠が並び、幻想的な雰囲気を織りなします。ライトアップされた園内に、小川のせせらぎが聞こえ、時折このししおどしの「カ~ン」という澄んだ音が響き渡ります。正に幽玄の世界です。
あなたの小路
大興善寺のもみじ園(春はつつじ園)の中には、あなたの小庭と名付けられた場所が3か所あります。あなたの小庭は、朝日ヶ丘の上と、展望所の近くとふたつはみつけたのですが、三つ目をみつけることが出来ませんでした。