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大興善寺 日本庭園 契園

大興善寺のお茶処の目の前に、清流に瀧を配した石組の日本庭園があります。

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所在地:佐賀県三養基群基山町大字園部3628 大興善寺境内
つつじ寺で有名な大興善寺の境内には、5万本ものつつじが植えられています。大正12年(1923年)頃から先代の御住職が裏山を公園化してつつじを植え始めたのが始まりです。公園面積は75,00平方メートル、つつじは50,000本、もみじは500本植えられています。他にも紫陽花、オオデマリ、エビネランなども植えられています。

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大興善寺の日本庭園は、大阪芸術大学教授であり、現代の日本庭園界の第一線で御活躍中の中根金作先生の御労作です。日本庭園へと続くこの辺りの景観も素晴らしいです。

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毎年4月下旬から5月初旬にかけて、つつじが満開になり、園内が色とりどりのつつじの花で覆われ、得も言われぬ美しさで感動します。

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つつじ園は、大興善寺の裏山一帯ですので、坂や階段がたくさんあります。しかし、色彩豊かなつつじの花がたくさん咲き、紫陽花やオオデマリ、梅、エビネラン、杉、楠、その他さまざまな木々や草花がありますので、それらを愛でながらの散策はとても楽しいです。

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大興善寺の公園の面積は75,000平方メートルありますので、全部回るのは時間も体力も結構必要です。時間があまり無い方や体力に自信がない方は、自分が行きたい場所を絞って、そこをめがけていくのもいいかもしれません。私と主人は、とにかく歩け歩けで、カメラを片手に写真を撮りながら公園全体を登ったり降りたりして、一周しました。たくさんの美しい花々や木々、草花に出会い、木漏れ日を浴び、すばらしい景色をみることができました。とってもいい運動になりました。

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オオデマリとツツジ

つつじ園の中に、たくさんのオオデマリが咲いていました。初めは、真っ白な紫陽花かと思ったのですが、近づいてみると、オオデマリでした。紫陽花は6月頃咲きますが、オオデマリは、つつじと同じ頃、4月下旬から5月上旬に咲きます。

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オオデマリ

オオデマリ(大手毬)の花言葉は、約束、誓い、私は誓いますなどです。純白の小さな花が集まり、正に毬(ボール)のようにまあるく咲いているオオデマリは、色彩豊かなツツジの花の中で爽やかなアクセントになっていました。

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おおでまり

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オオデマリ

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大手毬

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ツクバイ

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つくばい

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鹿威しと蹲

つつじ園内に鹿威し(ししおどし)がありました。静かな園内に「カ~ン」と澄み切った音が響き、すかっと爽やかな気分になりました。ししおどしは元々作物や樹木などに被害を与える鳥獣を威嚇し、追い払うための装置ですが、風情があります。あの竹が「カ~ン」と鳴る音がたまりません。
ししおどしは、鹿威し、鹿脅し、獅子脅し、獅子威しとも書かれるますが、本来は鹿威しと書きます。しかし、大興善寺の場合は、イノシシの被害に苦労されているようですので、イノシシ威しかもしれません。自然との共存、美しいもみじ園、つつじ園の管理はなかなか大変そうです。

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大興善寺のつつじ園内に愛の泉という場所がありました。愛の泉というと、1954年初公開の愛の泉という映画を思い出します。私が生まれる前の映画ですが、リバイバルで見ました。愛の泉(ローマのトレビの泉)に背を向けて、願を掛けてコインを投げ入れると望みが叶うと言われる話が出てくる古い映画です。きっと私と同じように、この映画を思い出した方でしょう、大興善寺の愛の泉にもコイン(主に一円玉)がいくつか投げ込まれていました。願が叶ったのでしょうか。

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お茶処から朝日ヶ丘へと進む道は、木の根道と呼ばれています。木の根がたくさん張り出した道です。木の根道も境内やつつじ園内を見渡すことができる絶景ポイントのひとつです。

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切株

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130年の切株

平成18年9月17日の台風13号の直撃を受けて倒れた杉の大木の切株です。弁財天がある池の近くにありました。こんな大きな杉の木が倒れるなんて、よほど激しい台風だったのでしょう。自然の驚異の前にはこんな大きな大木でさえ、なす術がないのですから自然災害の恐ろしさを感じます。自然は、たくさんの恵みを与えてくれますが、同時に災害もあります。自然には感謝すると共に、自然の驚異も忘れてはいけないということですね。

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台風13号の置き土産

ここに飾っております切り株は、平成18年9月17日の台風13号の直撃を受けて、倒れた杉の大木の切り株です。いまさらの如く自然の大きな力を感じるとともに、やみがたい畏敬の念を、多くの人に伝えんがため、弁財天霊城の一角に、この切り株を配した小庭園を造りました。年輪に刻まれた自然の、声なき声に耳を傾け、自然の恵みが、随所に満ち満ちていることに感謝したいと思います。(現地案内板より)

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庫裡庭園と池の石組

大阪芸術大学教授であり、現代の日本庭園界の第一線で御活躍中の中根金作先生の御労作です。また公園内の石庭、清流を生かした滝も先生の御作で、武雄市にあります慧洲園と共に中根先生が手掛けられた九州の名園です。(現地案内板より)

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青もみじ

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ツツジ

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つつじ寺ご案内・皆様にお願い

皆様にご参拝いただいております大興善寺は、つつじ寺として全国的に知れ渡っておりますが、これは75年にわたる先人の努力の集積が、今日の成果として実を結んだものであります。先代住職第96世神原玄祐大僧正は、大正9年、空き寺であった大興善寺住職を拝命するや、寂れた寺の活性化をはかるため、裏山の雑木林を開拓してつつじの苗を植え続けられました。村人の協力や学友であった先代池ノ坊家元専威宗匠の激励が、大きな支えとなって、年々整備充実の道をたどり、つつじの名所として近隣に知られるようになってきました。
昭和20年、戦火が収まり平和が訪れるや、花を愛でる人々も飛躍的に増え、つつじ園も拡張につぐ拡張で、昭和40年代には面積七万五千平方米、つつじの数も五万になり、ゴールデンウィークの身近な行楽地として親しまれるに至りました。この事業の達成は、近隣地主のご協力と、拡張実現のため結成された協賛会援護会などの力強いご支援の賜物で、発展の基礎作りに寄与されたこれらのご功績を忘れることはできません。
昭和32年久留米ロータリークラブから贈られた「つつじ寺」の愛称は、今では大興善寺以上に知られています。つつじ博士「田村輝夫先生」のご指導により、つつじは、毎年毎年美しい花を咲かせています。日本庭園造園の権威「中根金作先生」によって、公園の一角に、清流に瀧を配した石組の庭園ができました。
公的な援助や特別のスポンサーはありません。皆さまがお寄せくださる入園料などが収入のすべてです。膨大な設備投資は、借入金にて運用しております。この実状に理解を賜り、自然の美しさを大切に育てる大興善寺を、ご支援ください。このつつじ園は、人工的に作ったつつじ公園としては全国的にも最大級の規模を誇ります。一目一万本の美観は圧巻です。秋の紅葉も見事です。すべてこの美しさを育ててくださるのはあなたです。どうか宜しくご協力のほどお願い申し上げます。
大興善寺第九十七世 神原玄應(現地案内板より)

契園20


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