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つつじ寺 大興善寺

つつじ寺、小松山観音とも呼ばれている古刹です。つつじ寺の愛称は、昭和32年久留米ロータリークラブから贈られました。春はツツジの花で境内が華やぎ、秋は境内が紅葉で彩られます。ツツジの時期と紅葉の時期は、特に多くの参拝客でにぎわいます。

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天台宗別格本山 大興善寺(だいこうぜんじ)
所在地:佐賀県三養基群基山町大字園部3628
大興善寺は奈良時代養老元年(717年)に、行基菩薩が開創されたといわれています。平安時代に火災により全焼してしまいましたが、慈覚大師円仁和尚入唐法帰朝の折、再興して大興善寺と名付けられた比叡山の末寺です。大興善寺は開創以来、諸願成就の寺として地元や近隣の方をはじめ各地の方々が、小松山観世音として参拝しています。九州では最初に比叡山延暦寺より天台宗別格本山と称することを許された由緒ある古刹です。本尊の十一面観世音菩薩も行基菩薩の一刀三礼の作と言われています。

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大興善寺はつつじ寺と呼ばれ、本堂の裏山に大きなつつじ園があります。春には色とりどりのつつじが咲き、秋には紅葉が山全体を錦絵の様に染めます。
公園面積:75,000平方メートル
つつじ木数:50,000本・もみじ木数:500本
花見堂:10棟・広場:80ヶ所(収容人員:5,000人)・お手洗い(W.C.)3ヶ所
大駐車場:750台駐車可能
JRをご利用の方は、JR基山駅から大興善寺までは約4kですが、つつじ及び紅葉の観光シーズンは、基山駅と大興善寺を結ぶ臨時バスが運行されますので便利です。

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大正12年(1923年)頃から裏山を公園化して植え始めたつつじが、現在は5万本に増え、全国でも有数の大つつじ園になっています。色とりどりのつつじの花がたくさん咲き、花見堂や日本庭園、石段、本堂、石塔などと相まって、得も言われぬ美しい景色です。秋には、500本あるもみじが紅葉して、見応えのある景色を楽しむことができます。
先代住職第96世神原玄祐大僧正が、大正9年に空き寺であった大興善寺住職を拝命するや、寂れた寺の活性化をはかるため、裏山の雑木林を開拓してつつじの苗を植え続けられました。村人の協力や学友であった先代池ノ坊家元専威宗匠の激励が、大きな支えとなって、年々整備充実の道をたどり、つつじの名所として近隣に知られるようになってきたそうです。現在も現在の御住職とお寺の方々がいつも手入れをして管理していらっしゃいます。

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石坂

石坂は、仁王門(山門)前の石段です。石坂は、明治27年(1894年)に完成しました。百二十七段の石段は、急勾配で、両脇にツツジが植えられています。4月の下旬から5月の初旬にかけては、両脇のつつじが色とりどりの花を咲かせ、大変見ごたえがあり、美しいです。この大興善寺の石坂は、大興善寺のシンボル的存在です。昭和53年(1978年)に別格本山昇格に際し、石坂の一番下に大きな石碑が建てられました。
参拝時つつじが丁度満開でした。白、淡いピンク、ピンク、濃いピンクと色とりどりのつつじの美しさと華やかさと迫力に圧倒されました。この石段は127段ありますので、石段が苦手な方や車いすの方は、右手にゆるやかな勾配の坂道があります。

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仁王門

綺麗なつつじを眺めがら、127段の石段を上ると仁王門があります。

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仁王門をくぐると、広い境内が広がっています。仁王門の両側には、阿吽の仁王様がいらっしゃいます。格子戸の中にいらっしゃいますので、仁王様の姿を上手に写真に撮ることができませんでした。

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境内から仁王門を見るとまた違う雰囲気です。春は新緑、秋は紅葉が瓦に映えます。

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仁王門を横から

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境内

境内は広場になっていて、石塔や石碑などもあります。また、平和の鐘、名木などもあり、見所満載です。新緑の頃は、爽やかで清々しい美しさ、紅葉の頃は歓声が上がる程の美しさです。是非、両シーズンの参拝をお勧めします。

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手水鉢

藤棚のすぐ近くにこんなに素敵な趣がある手水鉢がありました。どなたの作かはわかりませんでしたが、大変いい仕事をされています。ダイナミックな形ですが、すごくバランスがいいです。さらに苔むしていて風情があります。

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藤棚と手水鉢

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大興善寺の梵鐘

本堂手前の石段の右手にあります。

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梵鐘

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大興善寺の本堂

仁王門をくぐると広い境内が広がり、その先には本堂へと続く20段の石段があります。石段の上に茅葺の本堂があります。石段の両脇にも花々が咲き、とても美しい光景です。この石段の途中に腰を下ろし、境内、仁王門と眺めるのもいいです。

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新緑の頃も紅葉の頃もそれぞれの美しさがあります。江戸時代初期元和10年(1624年)、宗対馬守義成公により再建されたものです。茅葺の重厚な屋根と建物が相まって、古刹の風格を示す趣がある建物です。大悲閣の御宝前です。大興善寺の方に教えて頂いたのですが、本堂の屋根は以前は杉皮葺でしたが、随時茅葺に葺き替えられているそうです。平成23年(2011年)6月にも大々的に茅葺屋根への葺き替えが行われていました。

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本堂

大興善寺は、九州三十三観音の一つでもあり、小松山観音と呼ばれ、古くから信仰を集めている古刹です。大興善寺は、九州三十三観音の第四番所でもあります。

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九州三十三観音

鎮国寺(福岡県)、海心寺(福岡県)、阿弥陀院(福岡県)、大興善寺(佐賀県)、如意輪寺(福岡県)、不動寺(福岡県)、本覚寺(福岡県)、原鶴観音(福岡県・特別)、宝積寺(大分県)、佛生寺(大分県)、弘法寺(大分県)、三明院(大分県)、善通寺椿大堂(大分県)、光明院(大分県)、大光院(大分県)、興禅寺(大分県)、満願寺(熊本県)、含蔵禅寺(熊本県)、興福寺(熊本県)、金剛寺(熊本県)、大徳寺(熊本県)、向陽寺(熊本県)、芳證寺(熊本県)、満明寺(長崎県)、延命寺(長崎県)、大定寺(佐賀県)、髙野寺(佐賀県)、宝光院(佐賀県)、西光寺(長崎県)、御橋観音寺(長崎県)、最教寺奥之院(長崎県)、鶴林寺(佐賀県)、長栄寺法蔵院(福岡県)、明石寺(福岡県) 以上33寺と原鶴観音で34寺です。(現地案内板より)

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本堂

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扁額には「『大悲閣』 九十六世玄祐」と記されていました。

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本堂

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本堂の木鼻

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本堂

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本堂

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銅鍾

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大興善寺の奉燈

奉燈とは、神前・仏前に灯明を供えることです。また、その灯火、蝋燭(ろうそく)のことも奉燈といいます。大興善寺は、小松山観音として信仰を集めている1300年の歴史がある古刹です。平安の昔から伝わる、火除け祈願の他、家内安全・厄除け・交通安全などに訪れる参拝者が後を絶ちません。

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奉燈

私は「ぼけ封じにしようかな」とも思ったのですが、やはり無病息災の灯明をお供えしました。ぼけ封じ、身体健全、無病息災、病気平癒などのろうそくがありました。

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大興善寺本堂の屋根

江戸時代初期元和10年(1624年)、宗対馬守義成公により再建されたものです。新緑の頃は、緑の葉っぱが屋根に映え、紅葉の頃は赤く紅葉した木々とのコントラストが美しいです。苔むした感じがたまらなく好きです。
大興善寺の方に教えて頂きましたが、本堂の屋根は、以前は杉皮葺でしたが、随時茅葺に葺き替えられたそうです。平成23年(2011年)6月には、見える部分のほとんどが茅葺に葺き替えられたそうです。かや(茅)は、阿蘇外輪山の大観望付近から運んできたもので、職人さんは、日田市の前津江の方だそうです。

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茅葺屋根

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茅葺屋根とつつじ

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茅葺屋根と青もみじ

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茅葺屋根

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茅葺屋根

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