延命橋
延命橋は、健康を祈願しながら渡ると長生きをすると言われています。この橋のそばにある「延命地蔵」にちなんで延命橋と名付けられました。延命地蔵尊は、首から上の病や長生きにとても霊験があると言われています。
所在地:佐賀県伊万里市
橋の長さ62.8m
当初は黒尾橋と呼ばれていましたが、文政年間(1818年~1829年)頃、延命橋というようになったと伝えられています。洪水で流れてきた石地蔵を橋の北側たもとに祀ると、その石地蔵は首から上の病気を治すご利益があり、長生きの延命地蔵として信仰されました。その参道であったことから延命橋と名付けられたと言われています。
以前は朱塗りの木橋でしたので、俗に赤橋と呼ばれていました。たびたびの水害で流失し、現在の鉄筋コンクリート製の橋は昭和47年(1972年)10月20日に開通しました。その後も何度か改修され、平成に入って、古伊萬里色絵碁盤童子置物と古伊萬里色絵瓢箪鯰童子置物が飾られました。
伊万里色絵瓢箪鯰唐子像
瓢箪を持って、鯰にまたがった唐子です。
伊万里色絵瓢箪鯰唐子像
「瓢箪で鯰を押さえる」とは「とらえどころのないさまのたとえ」に使われる諺ですが、そのユーモラスなしぐさが大津絵の画題となり、歌舞伎の舞踏として『拙筆力七以呂波(にじりがきななついろは)』にとりいれられる程、庶民に親しまれました。「瓢箪鯰」の故事とは異なり鯰を押さえようとしている唐子(中国の童子)は、中国の道教の八仙人の一人で、李鉄拐(りてつかい)の化身です。
「瓢箪鯰」の故事と瓢箪をトレードマークにする仙人をかけあわせておかしみを狙った、遊び心溢れる名品です。
「古伊万里色絵碁盤乗唐子座像」は、高さ26cmほどですが、この唐子像は、伊万里陶磁器工業協同組合と岩尾磁器工業株式会社の共同企業体の最高の技術をもって大きくつくりました。(現地案内板より)
延命橋は、伊万里川に最初に架けられた橋と言われています。
伊万里色絵碁盤乗唐子座像
碁盤の上であぐらをかいた唐子です。
伊万里色絵碁盤乗唐子座像
宝珠を握り、碁盤にあぐらをかいた愛らしい唐子(中国の童子)がモデルです。
江戸時代には、碁盤の上で小さなあやつり人形を躍らせる「碁盤人形」というお座敷芸が流行していました。
それが、古伊万里のモチーフにとりいれられたのだと思われます。
また、七五三の「着袴の儀」をモチーフにしたという説もあります。
ヨーロッパの王侯寄贈は神秘的な登用への憧れが強く、このようにエキゾチックな唐子の像を珍重しました。
「古伊万里色絵瓢箪鯰唐子像」は、高さ26cmほどですが、この唐子像は、伊万里陶磁器工業協同組合と岩尾磁器工業株式会社の共同企業体の最高の技術をもって大きくつくりました。(現地案内板より)
いまりまだら
いまりまだらは、江戸時代の伊萬里津へ日本各地から集まった陶器商人たちと伊万里商人との間で、商談が成立した手じめの宴席などで歌われた祝い歌です。
「まだら」は、肥前を中心に、全国の港町に点々と残っています。
それらの多くは、伊万里焼を運ぶ船の寄港地として栄えたところですから、伊万里焼の流通によって「まだら」が歌い広められたと思われます。
伊万里焼を売りさばいた商人たちの活躍のあとを物語る貴重な民謡です。
鶯の鶯の、今度初めて伊勢参宮、伊勢より広き町なれど、一夜の宿を借りかねて、浜の小松の二の枝に、柴かき寄せて巣を組んで、十二の卵を産み揃え、十二一緒に眼を開き、親諸共に立つ時は、黄金の銚子を取り揃え、又白銀の盃で、飲めや大黒歌えや恵比須、中の酌取りゃ福の神、ションガイナー
(現地案内板より)
伊万里川には、相生橋と延命橋と幸橋の3つの縁起橋が架かっています。
相生橋→延命橋→幸橋の順にわたると縁起が良いと言われています。
相生橋は、相(ともに)生(いきる)橋で、夫婦、恋人で渡ると仲睦まじくなると言われています。
延命橋は、延(のびる)命(いのち)で、健康を祈願しながら渡ると長生きをすると言われています。
幸橋は、幸(しあわせ)の橋で、相生橋と延命橋を渡って、最後に渡ると幸せになれると言われています。
延命橋は平成6年3月成工
伊万里川河畔遊歩道
あいあい通り
伊万里川河畔の散歩道です。欄干には江戸時代の白壁土蔵家屋の絵や当時の地図なども飾られています。
伊万里津の絵
伊万里津の陶器商家
江戸時代の伊万里川の河口周辺は「伊萬里津」と呼ばれ、川の両岸や街道、水路に沿って、大勢の陶器商人の店や蔵が軒を並べ、国内はもとより、長崎出島を経て、遠くヨーロッパをはじめ海外への焼き物の積み出し港として、大変な賑わいをみせていました。
伊萬里津の古い記録を集めた『伊万里歳時記』には、80名の陶器商人の名前が見えます。
伊萬里津はそのころ「千軒在所」といわれていましたから、町家の約1割が陶器商家でしめられていたことがわかります。
江戸時代の日本を豊かにした、伊萬里津の陶器商人の活躍が偲ばれます。
陶板に描かれた陶器商家の風景は、村岡一氏の筆で、往時の姿を再現したものです。(現地案内板より)