伊萬里津からくり時計
伊萬里津からくり時計の愛称は、万里音(まりおん)です。午前9時から午後6時までの1時間毎にカリオンの音色を響かせ、からくり人形やオランダ船などが動きます。
所在地:佐賀県伊万里市
相生橋のたもとにある、佐賀銀行伊万里支店の東側の壁面に設置されています。
からくり時計「万里音」
江戸時代から明治にかけて、伊万里津から全国各地、または長崎出島、そしてオランダの東インド会社を通じ、焼物が遠くヨーロッパへ渡っていきました。伊万里津は東洋と西洋を結ぶ壮大なセラミックロードの出発点です。このからくり時計は1時間ごとにカリオンの心地よい音色を響かせ、からくりが作動し、当時の伊万里津の賑わいを表現したもので、伊万里商人の息吹が聞こえてきそうです。(現地案内板より)
幸せを呼ぶ万里音
古伊万里からくり時計は21世紀の年の初めに最初の鐘の音を鳴らしました。ここで待ち合わせすると幸せになると言われています。(現地案内板より)
伊萬里津と伊萬里商人
江戸時代、伊万里川の河口にひらけた町並みを伊万里津といいました。
津とは港町のことで、現在の相生橋のたもとに船着き場があり、肥前一帯でつくられた磁器は伊万里津から船で積み出され、港の名にちなんで伊万里焼と呼ばれました。
伊万里津は江戸時代より前には伊万里浦と呼ばれており、17世紀の前半に港が整備されたと思われます。寛永年間(1624年~1643年)には、東島徳左衛門や岩永伝右衛門などの商人たちが、やきものを取り扱っており、江戸幕府による鎖国後も伊万里焼は、17世紀の後半を最盛期に、長崎の出島のオランダ東インド会社により、遠くヨーロッパへ運ばれ、王侯や貴族の宮殿を飾りました。
伊万里津は西洋と東洋とを結ぶ壮大な海の道、セラミック・ロード(陶磁器の道)の出発点です。
17世紀の末以降は、前川善左衛門、犬塚伊左衛門、石丸源左衛門、松尾彦兵衛、武富七太郎など、多くの陶器商人たちの手で国内向けの陶磁器の積み出しが本格化し、江戸時代中ごろ以降は、陶器にくらべて清潔な感じがする磁器が武士や公家など一部の裕福な人びとだけでなく、日本中の大部分の人びとに広まり、暮らしに豊かさとうるおいをもたらしました。
こうして伊万里津は、やきものがもたらす富によって、江戸時代後期には「千軒在所(千軒も家があるところ)」と呼ばれるほど、佐賀藩内で最も重要な港町として繁栄し、今も白壁土蔵など、その名残をただよわせております。
このからくり時計は、こうした歴史背景をテーマに伊万里津の賑わいを表現したもので、実際には西洋人やオランダ船が伊万里津に入港した史実はありませんが、壮大なロマンと国際交流の原動力となった伊万里商人たちの息吹きが今にも聞こえて来るようです。ユニークなパフォーマンスをお楽しみください。
注:「伊萬里津」は「伊万里津」と表記する場合もあります。(現地案内板より)
演奏曲目
【9:00】春の小川(3/1~5/31)・夏は来ぬ(6/1~8/31)・里の秋(9/1~11/30)・もろびとこぞりて(12/1~12/25)・白銀は招くよ(12/26~2/29)
【10:00】伊万里小唄
【11:00】花(3/1~5/31)・飛んでったバナナ(6/1~8/31)・もみじ(9/1~11/30)・ジングルベル(12/1~12/25)・冬の夜(12/26~2/29)
【12:00】荒野の果てに
【13:00】ピクニック(3/1~5/31)・アロハオエ(6/1~8/31)・赤とんぼ(9/1~11/30)・サンタが街にやってくる(12/1~12/25)・雪(12/26~2/29)
【14:00】マイウェイ
【15:00】伊万里行進曲
【16:00】思いでのアルバム
【17:00】家路
【18:00】伊万里音頭
伊万里商人とオランダ商人
壺や荷物を運ぶ人
オランダ船
オランダ船が帆を上げました。
オランダ船と荷物を運ぶ人
可愛い唐子が古伊万里の大皿を持っています。