陶山神社の有田焼の鳥居
陶山神社には、明治21年に奉納された磁器製の大鳥居・狛犬・水がめ等があり、陶器の町有田らしい風情が溢れています。
陶山神社の磁器製の鳥居
(登録有形文化財)
所在地:佐賀県西松浦郡有田町大樽2-5-1 陶山神社
この磁器製の鳥居は、明治21年 (1888年) 稗古場奉納
高さ:3.65 m・笠木の長さ:3.9 m
磁器製の鳥居
白磁の素地に天然呉須による淡いブルー(青色顔料)の唐草模様が大変美しい鳥居です。磁器製の扁額には「陶山社」と記されています。
有田焼が始まる江戸前期に開かれ、有田の象徴的存在として知られる陶山神社の鳥居です。
陶山神社(すえやまじんじゃ・通称とうざんじんじゃ)
祭神:応神天皇・鍋島直茂公・李参平公
創建:万治元年(1658年)8月、有田郷社八幡宮(伊万里市二里町大里)のご分霊を祀る
由緒:ここ陶山神社は、江戸時代「有田皿山宗廟八幡宮」と称される通り、有田町及び有田焼繁盛の「陶祖の神」として、有田町を見渡すこの蓮華石山麓の景勝の地に創建されました。四季折々に桜やツツジ、それに有田と縁の深い韓国のムクゲなどを咲かせて神域を彩ります。
周りを見渡せば白磁の狛犬、明治20年(1887年)赤絵町十代今泉今右衛門奉納や、染付の大鳥居、明治21年稽古場町奉納、大水甕、明治22年中ノ原町奉納 井出金作作など有田ならではの風情があり、まさに陶山神社は皿山の野外歴史資料館そのものです。
昭和31年の台風により本鳥居の上部が飛散、面目を失いたるを悲しみ、香蘭社十代深川栄左エ門強く復旧を念願遂に35年秋漸く完成、その威容を再現す。(現地案内板より)
磁器製の鳥居
磁器製の鳥居の扁額には「陶山社」と記されています。
磁器製の鳥居と拝殿
陶山神社本殿と磁器製欄干
干弘化3年(1846年)9月に奉納された、陶山神社本殿の磁器製欄干です。擬宝珠にはロクロ目が残っています。
白磁に青い文様が映えています。欄干まで磁器製とは恐れ入りました。擬宝珠のてっぺんの尖がり、その下に続く美しい曲線、さらに欠首とのバランスの良さ。本当に素敵な欄干です。因みに擬宝珠の下にあるお椀を伏せたような部分を「覆鉢」、間をつなぐくびれた部分を「欠首」といいます。さらにその下、覆鉢の下の円筒形部分を「胴」といいます。
磁器製狛犬 阿形
明治20年(1887年)に赤絵町第十代今右衛門の奉納による磁器製の阿吽一対の狛犬です。
高さ:82cm
三角の耳が頭の上にピンと立っていて、大きな目を見開いてユニークな表情をしています。なんとなく愛らしいです。
磁器製狛犬 吽形
阿形と吽形と台座の模様が其々違います。吽形の方の台座は花や蝶々が描かれています。
磁器製狛犬 阿形
磁器製狛犬 阿吽形
磁器製狛犬 阿形
磁器製狛犬 吽形
磁器製狛犬と大皿と灯籠
陶山神社の大水鉢と大皿
こちらの大水鉢は、明治22年、中ノ原奉納で、大物づくりで有名な井手金作の作によるものです。柱に「染付大鉢舎改築 神事町記念(平成5年度)注連元 山口忠太 第五区 平成7年10月吉日」と記されていました。
大水鉢と大皿
磁器製大水瓶
明治22年(1889年)中の原奉納
高さ:109cm・径:90cm
大物作りで有名な井出金作/小山直次郎、絵付けは川浪喜作の逸品です。現在ロクロ成形ではこれ以上の物を作ることは難しいそうです。
陶山神社の磁器製燈籠
弘化3年(1846年)9月幸平奉納
角物細工、トップの擬宝珠はロクロ目が残っています。現在は保護の為、金網の中にあります。それにしてもこれだけ大きなものを美しく焼き上げるのは大変だったでしょう。
磁器製燈籠