志田焼の里・焼成窯
現在残っている石炭窯では国内最大級のものです。
志田焼の窯
所在地:佐賀県嬉野市塩田町久間乙3073 志田焼の里博物館内
焼成場(大窯・石炭窯)
高さ:3.5m 幅:6.6m 奥行:12.4m
現在残っている石炭窯では国内最大級のものです。焼き上げるのに11日もかかります。昭和30年代の終わりごろ作られました。この窯で直径60cm以上の大型の火鉢が焼かれました。建物の外側に一辺が2mある煙突があります。
志田焼の里博物館の方が、この大きな窯の中にも入れて下さり、詳しい説明をして下さいました。
嬉野市塩田町は、日本で初めて磁器焼成に成功した有田に続き、1700年代に西山と東山において天草陶石を用い磁器づくりが始まりました。高級磁器を生産する有田に対し、塩田町で焼かれる志田焼は大衆向けのものを大量生産する窯場として発展しました。様々な製品の中でも山水や動物を伸びやかな筆使いで描いた大皿は、まさに志田焼の真骨頂といえるものです。
志田焼の全盛期は1800年以降。江戸末期・明治・大正と時代のニーズに合わせた焼きものづくりが行われてきました。志田は、庶民向け陶磁器の大量生産の供給地でした。昭和30年頃まで、火鉢等を中心にかなりの生産量を誇っていました。しかし、生活様式の変化等により次第に需要が低下し、志田焼株式会社は、昭和59年に閉鎖されました。
志田焼の里博物館内には、石炭、重油燃料による3基の釜や20mの煙突2基、ロクロ、陶土工場、絵付け作業場、釉薬工場、鋳込み成形工場など21棟の建物があり、焼き物作りの全工程が見学できます。大変貴重な体験であり、大変勉強になりました。
窯内部
窯内部
窯内部