円応寺
円応寺は曹洞宗のお寺で武雄鍋島家の菩提寺です。武雄領主20代から代々のお霊屋があり位牌堂もあります。参道に約100本の桜が植えられていて、春には見事な桜のトンネルになります。
所在地:佐賀県武雄市武雄町大字富岡10513
武雄市武雄町川良の柏岳の南麓にある曹洞宗のお寺で、雄鍋島(後藤)家の菩提寺です。入り口の鳥井型石門から続く参道に、約100本の桜並木が続きます。参道の途中にはアーチ型石門があります。
鳥居型石門
鳥居型の石門は全体に強い反りがあり、両端が渦を巻いています。白雲関と刻まれた石造相額がかかっています。
円応寺鳥居型石門
安山岩(塩田石)切石を基礎石に、几帳面取り角石を二個積み上げて柱としてあります。貫は虹の形の一本ものです。正面に文様を掘り込んであります。笠木は三本組みで、全体的に強い反りをもち、両端は渦巻きになっています。中央に「白雲関」の石造相額がかかっています。
規模は、内法幅2.76m、高さ5.01mで、建立年代は向かって右側柱左側面の銘文に記してある「寛政十年」(1798年)です。因みに、銘文は他に「施主古川長衛慰中行 北川郷右衛門慰好信」「願主 江口卯兵衛慰親澄 原松右衛門 小奉行 眞名子嘉太八田代蔵七 石工 塩田住 筒井興四右衛門 同名幸右衛門」と記してあります。
この種類の石造門は法音寺(臼杵市二王座・明治11年建立)に類似の門がある程度で、はっきりした江戸時代の鳥居型石門として、石造建築史上価値の高いものです。
平成5年4月30日 武雄市 重要文化財(建造物)指定(現地案内板より)
鳥居型石門
アーチ型石門
アーチ型石門は切妻型の屋根で両端に石塀がついているのが特徴で、正面上部の「西海禅林」の扁額石は武雄領主第28代鍋島茂義の15、6歳の筆と言われています。
円応寺アーチ型石門
アーチ部分は、下から八段目から切石を組み合わせており、最上部には、幅の狭い切石があります。正面アーチ上部中央に「西海禅林」と印す扁額石があります。この字は、第28代武雄領主鍋島茂義が16歳の時に書いたものだと言われています。
規模は、幅4.85m、厚さ0.97m、高さ4.17mで、屋根は切妻になっています。建立年代は、背面向かって右の銘文より「文化十四年」(1817年)になります。
この種の門としては、長崎県の三カ所が知られていますが、アーチの組み方が円応寺アーチ型石門とかなり異なり、かつ、屋根もかなり簡略化されており、これ程整ったアーチ型石門は、他にあまり見当たらなく、建立年代もはっきりとしており、石造建築史上価値が高いものです。
平成5年4月30日 武雄市 重要文化財(建造物)指定(現地案内板より)
西海禅林
正面上部の「西海禅林」の額石は武雄領主第28代鍋島茂義の15、6歳の筆と言われています。