武雄温泉新館・外観
新館は、大正4年に建築されました。辰野葛西建築事務所の設計で、清水組が建設しました。入母屋造で、五銭湯の湯気抜きは八角形をしています。
所在地:佐賀県武雄市武雄町大字武雄7425
武雄温泉新館
完成:大正3年8月6日
木造入母屋造桟瓦葺 二階建
桁行正面十四間、梁間三間
一階:男女大浴場各二室・上々湯各三室
二階:和室五部屋
武雄温泉新館
新館は正面中央に玄関車寄を備えた木造二階建の主体部を中心に、左右対称の両翼を張り出しています。
武雄温泉新館玄関
この建物は1915年に武雄温泉株式会社の前身である武雄温泉組組合長宮原忠直が、当時日本の建築界で高名な辰野金吾博士に設計を依頼したものです。当時の設計図には、博士の得意な洋風建築様式が基礎のレンガや浴室など随所にみられます。しかし、工事中に変更がなされ、最終的にできあがったのは、朱色に映える和風の建物でした。日本の良き温泉文化を後世に伝える貴重な建物です。
明治になると武雄温泉は領主の所有から国有となり、明治8年払い下げが行われ、湯町の町民が出資し、柄崎温泉組を組織しました。翌9年には浴場をすべて新築改造しました。現在の元湯の建物がこれにあたります。宮原忠直が組長をしていた大正3年には、日本近代建築の父といわれた辰野金吾に「温泉・自然・陶磁器」を核としたテーマーパーク設計を依頼し、今に残る楼門と新館が翌4年に完成しています。残念ながらサウナとビリヤードをはじめとした娯楽施設は建設されていません。(現地案内板より)
武雄温泉新館
楼門から新館を望む
八角形の湯気抜き塔
瓦
舞鶴がデザインされた瓦
舞鶴がデザインされた瓦
蟇股
蟇股にも舞鶴が彫られています。
舞鶴の蟇股
ベンチ
武雄温泉新館玄関