鯨組主中尾家屋敷
江戸時代に巨万の富を築いた鯨組主の屋敷「旧中尾家住宅」です。
所在地:佐賀県唐津市呼子
平成23年4月24日(日)から一般公開開始しています。
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:毎週水曜日(祝祭日の馬場位は翌日)
入館料:大人200円(15歳以上)・小人100円(4歳以上~15歳未満)
※20名以上は団体割引あり
主屋:平入り切妻造二階建て
棟高:9.153m
延床面積:434.080平方メートル
大変大きな町屋建築です。主屋の中央部は、柱や壁、建具が二重になっています。
鯨組主中尾家屋敷
旧中尾家住宅は、江戸時代に鯨組主として巨万の富を築いた中尾家の屋敷として建てられた建物です。特に、主屋は当時の姿をよく残しており、勘定場とともに唐津市の重要文化財に指定されているほか、佐賀県が認定した22世紀に残す佐賀県遺産、唐津市の景観重要建造物にも指定されています。
唐津市重要文化財 平成14年6月24日指定(現地案内板より)
三か所の「護岸跡」には地面に石を配し、かつてあった場所を表示しています。修理工事に伴うかつての護岸と思われる石積みが数か所確認されました。それぞれの石積みは平行に並んでおり一度に築かれたものではありません。
鯨組主中尾家屋敷が建つ敷地は、中尾家の住居というだけでなく、鯨組の経営のための施設、新屋敷が建設されるまでは前作事の場でもあったと考えられており、事業規模の拡大に伴って、数度にわたり屋敷地の拡張が行われたものと思われます。
鬼瓦
鯨組中尾家前作事場「新屋舗」跡
この辺一帯は、天保11年(1840年)刊行の『小川嶋鯨鯢合戦』の中で中尾家が「入海の奥を方四町に石垣高く築出し、新屋舗と号して倉蔵数拾軒建並べ」と記し、「中尾家前作事場新屋舗之図」(以下「新屋舗之図」と呼ぶ)と題した鳥瞰図を掲げて、中尾家が「新屋舗」と呼ばれた「前作事場」を設けていたところである。
この「新屋舗」は捕鯨の準備作業を行うために利用され、東西25間、南北90間を測り、鯨船を納める船倉2棟を南端に建て、「船引ヲロシ所」に続く海沿いに、一番から六番までの倉と「田嶋ナヤ」「浜手門」を海沿いに建て、「イナリ」「秋葉」「エビス」の三社を祀り、さらに「十四番」「漁網倉」を建て、「椎ノ枝センジ釜」を配していた。これらの建物に挟まれた土地の片方には、引き上げられらた鯨船が並べられ、片方は広場となっていた。
天保7年の「呼子村絵図」には、中尾家屋敷が位置する「浦町」の突き当たり、入り江の再奥部に、「新屋舗之図」と同じ建物配置を示す一角があり、これが「新屋舗」に当たる範囲と思われる。(現在この通りに面した番地は同じ番地となっている)中尾家は呼子町の南端部を占める「浦町」の海際に広大な屋敷地を占有し、街並み空間において際立つ存在であったと思われる。
唐津市教育委員会