旧唐津銀行・室内
貴賓室や総会室などがあります。
貴賓室
アーチ型の曲線による窓や扉の木枠が印象的です。アーチを描く曲線からは当時の流行が伺われます。飾り部を金泥で装飾した豪華な漆喰天井に、特注のシャンデリアが取り付けられています。マントルピースには大理石が使われ、モダンな装飾が施されています。絨毯は可愛らしいデザインで華やかな印象です。壁も創建時に使われていた材質の紙クロスで復原したそうです。
貴賓室
貴賓室
貴賓室
旧総会室は、現在は展示施設になっています。旧唐津銀行の歴史と文化、および近代唐津の歴史を紹介する「常設展示」スペースが設置されていました。旧唐津銀行、唐津の歴史と文化、設計担当の田中実と師匠の辰野金吾について、唐津銀行創始者の大島小太郎などについても詳しい紹介が展示されていました。
明治時代、政府は近代産業と金融制度の整備を推し進め、全国通貨の統一や銀行制度の導入を始め、私立銀行の設立が可能になり、各地に私立銀行が設立されました。当時の唐津は、石炭をはじめとする産業発展の途上にあり、新しい金融機関が必要になり、地元有志の熱意により、明治18年(1885年)、大商家が軒を並べる大石町に唐津銀行が誕生しました。唐津銀行の初代頭取は、東京三菱商業高校を卒業し、東京で学んだ後、唐津に帰郷していた当時26歳の大島小太郎でした。唐津銀行の設計をした田中実の師匠、辰野金吾は大島小太郎と藩校の同級生でした。
鏡
鏡
マントルピースの上にある鏡です。美しいこの鏡は、当時どのような姿を映し出していたのでしょう。活気溢れる時代、窮地に追い込まれた時、様々な時代をそっと見守っていたのでしょう。鏡には美しい飾りが施された漆喰天井とおしゃれなシャンデリアが映りこんでいます。