佐用姫像
佐賀県唐津の鏡山展望台にあります松浦佐用姫(まつうらさよひめ)像です。
日本三大悲恋 松浦佐用姫像
所在地:佐賀県唐津市鏡
日本の三大悲恋物語といわれる松浦地方に伝わる伝説が、「松浦佐用姫」の物語です。
古代、朝廷の命令で挑戦半島の任那、百済の救援に派遣された青年武将大伴狭手彦は、停泊地である松浦の血で土地の長者の娘「佐用姫」と恋に落ちましす。やがて、出帆の時が来て、別離の悲しみに耐えかねた佐用姫は鏡山に駆け登り、軍船にむかって身にまとっていた領巾(ひれ)を打ち振りました。
それでも名残はつきず、佐用姫は山から飛び降り、呼子加部島まで追いすがったものの、すでに船の姿はなく、悲しみのあまり七日七晩泣き続け、ついに石に化したというものです。この物語は、万葉の歌人たちにも数多く読まれるものとなり、以後詩歌や能などの文学や演劇の題材にもなりました。
鏡山はこの故事から「領巾振山(ひれふりやま)」と呼ばれるようになったといいます。
平成十四年三月建立 贈 唐津レインボーライオンズクラブ(ひぶんより)
佐用姫伝説
日本三大悲恋伝説のひとつ。村の長者の娘佐用姫は新羅へ出兵を命じられた大友狭手彦(おおとものさてひこ)と恋に落ち、やがて船出の日が訪れた狭手彦の船影を追い求め、悲しみのあまり石になったと伝えられます。万葉の歌に数多く詠われています。
松浦佐用姫に関する歌の一部を紹介します。
遠つ人 松浦佐用姫 夫(つま)恋ひに領巾振りしより 負へる山の名 (山上憶良)
海原の沖行く舟を帰れとか、領巾振らしけむ。松浦佐用姫 (山上憶良)
松浦潟の佐用姫の児が 領布振りし山の名のみや 聞きつつ居らむ (山上憶良)
山の名と 言ひ継げとかも 佐用姫が この山の上(へ)に 領巾を振りけむ (詠み人知らず)
万代に 語り継げとし この岳(たけ)に 領巾(ひれ)振りけらし 松浦佐用姫 (詠み人知らず)
篠原の弟姫の子を、さ一夜(ひとゆ)も、率寝(ゐね)てむ時(しだ)や、家にくださむ (肥前風土記)
領巾を振る佐用姫
悲壮な表情です。
2006/9/25の夜9時からTBSで放送され、その後何度も再放送されている浅見光彦シリーズの「佐用姫伝説殺人事件」では、唐津や呼子の風景が沢山登場し、愛する人を守るための切ない女心が描かれていました。