別府市公会堂 外観(復元後)
別府市公会堂(別府市中央公民館)は復原リニューアル工事を終え、平成28年(2016年)3月7日に公開されました。
所在地:大分県別府市上田の湯町6-37 別府市市民会館
別府市公会堂は、大分県別府市にあるホールです。改修工事を終え、開館当時の外観になりました。現存する鉄筋コンクリート造の建物としては県内最古のものです。現在は、別府市中央公民館及び別府市市民会館が入居しています。
別府市公会堂正面
スクラッチタイルが美しく、5つのアーチを連続させた、威厳に満ちた正面
当時の著名な建築家の吉田鉄郎が、ノーベル賞の記念晩餐会が開かれるスウェーデンのストックホルム市庁舎にヒントを得て設計したといわれています。
鉄筋コンクリート3階建(近代ドイツ復興式に和風を加味)
敷地:2,692平方メートル 建物:3,101平方メートル
設計:逓信省 吉田鉄郎技師
昭和2年(1927年)1月建設着工
昭和3年(1928年)3月竣工
平成28年(2016年)3月7日復原リニューアル竣工
中央公民館の生い立ち
「泉都別府に公会堂なきは一大欠点とする所なり。故に別府市政敷かれ、市長神澤又一郎新たに就任するに及び、計画あんばい、つぶさに案を具して市会に提出し其の容(い)るる所となる」(別府市誌より)
こうしてこのこうみんかんは昭和3年(1928年)に公会堂として建築されました。
近代ドイツ復興式に和風を加味したこの建物は、近代ヨーロッパ建築に詳しかった吉田鉄郎氏の設計によるもので、別府市技師池田三比古氏が製図と現場を担当、総工費が当時の金額で43万円でした。
当初は正面に大階段があって、入った所が一階(現在の二階)で大ホールと休憩室、二階(現三階)には貴賓室と食堂、地階(現一階)には大食堂、浴室、ビリヤードがありましたから、当時はきっと「別府の名所」として威容を誇り、たくさんの見物客が訪れていたことでしょう。
戦前、戦中は演説会が多かったようですが、記録は残っていません。
昭和25年から中央公民館として各種の学習活動や会議、講演会、大会、発表会、文化活動、研修講座の開催等いろいろなことに利用されて現在に至っています。
歴史と伝統のある古きよき建物ですから、これからも「来たときよりも美しく」の心で、みんなで大切に活用していきましょう。(現地案内板より)
リズミカルなアーチ、スクラッチの外壁、瀟洒な窓枠や装飾、モダンな建物です。
裏側から
屋根
壺
壺
屋上の塔屋
ブロンズ像
裸婦像
長谷秀雄作
前庭広場の敷石は、別府市との友好都市中華人民共和国烟台市から直輸入した御影石を敷き詰めたものです。
面積:2,480平方メートル 総事業費:6,000万円
石燈籠
駐車場南側の緑地内にあります。
公会堂のサイレン
この空襲警報のサイレンは昭和17年6月7日に、別府市婦人会より採納され、別府市公会堂の屋上に設置され、戦後も正午時報などに使用されていました。平成元年10月に屋上から撤去し、現在も中央公民館駐車場横の林内に移設されています。
このサイレンは、昭和16年に愛国婦人会別府分会の寄付金4,500円を投じて、兵庫県の業者に発注し、翌昭和17年6月6日に、別府市に納入された「15馬力ターボサイレン」と呼ばれるもので、当時15キロメートル四方にも音が聞こえたといわれていました。
別府市公会堂の屋上で空襲警報サイレンとして使用され、戦後もそのまま屋上に残されていましたが、平成元年10月に現在の公会堂駐車場南側の緑地に移設されました。
この形式のサイレンは、昭和14年にターボサイレンとして特許を取得し、主に海外に輸出したもので、国内用にも数台が販売されましたが、国内で現存しているのはこのsirenだけではないかといわれています。 平成28年3月 別府市教育委員会(現地案内板より)