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共同混浴露天風呂 ガニ湯

芹川の川っぷちにある、岩作りのかにの形をした混浴露天風呂です。

ガニ湯1

所在地:大分県竹田市直入町大字長湯芹川沿い
24時間入浴可能
泉質:ナトリウム・マグネシウム炭酸水素塩泉
効能:神経痛、打ち身、筋肉痛など

ガニ湯2

【温泉1kg中の主成分
ナトリウムイオン(Na+)501.2mg  炭酸水素イオン(HCO3-)2670.4mg
マグネシウムイオン(Mg2+)296.3mg  カルシウムイオン(Ca2+)272.1mg

ガニ湯3

大丸旅館の前の天満橋を渡ると、川っぷちにかにの形をした露天風呂がみえます。
360℃完全露天で、四方八方見渡せますが、四方八方からも見られます。特に、入りたくても入られない、女性人の熱い視線をびしばし感じます。
残念ながら私は未だ入ったことはありませんが、主人のお気に入りで、私がラムネ温泉館に3時間浸かって全身泡あわアワになっている間に、主人はラムネ温泉館を2時間であがり、タオル1本もって、がに湯へと行きます。
待ち合わせは駐車場ですが、川にはもちろん時計がありません。気持ちよくて時間を忘れてしまった主人を幾度となくがに湯まで迎えにいきましたが、その気持ちよさそうな顔、なんとも幸せそうな顔はうらやましいとしかいいようがありません。

ガニ湯4

主人は何度もガニ湯に通ううちに、地元のおじちゃんやなぜかおじちゃんっぽい地元の子供さんと意気投合して、楽しそうに笑い、話しながらがに湯に浸かっています。
地元の方や子供さんたちもタオル1本もって、ふらりとあらわれるようです。更衣室はもちろんありません。あるのは、かにの形をした湯船のみ。
川の上から「おとうさん~」と声をかけると、なぜかみんな振り返ります。(「おとうさん」の声に子供が振り返るのはなぞです)
夜だったら大丈夫かなっと思って幾度となく夜のがに湯に行ってみましたが、やはりあちこちに人がいて、なかなか入るチャンスがありません。雨の日だったらいくらなんでも誰もいないかなと思って行って見たら、川の水かさが増し、ガニ湯に川の水が流れ込んでいてこれまた入られず。
男性の方は是非是非熱い羨望の視線を感じながら、開放的ながに湯に入ってみてください。女性はその間、ラムネ温泉館で泡あわアワを堪能しましょう。

ガニ湯5

この「ぼごぼごっ」と泡と共に湧き出す温泉の感じ伝わりますでしょうか。泡がすごいでしょ。
長湯を流れる芹川(せりかわ)は、くじゅう連山の山間を流れてきた清流です。そんな芹川には、初夏には蛍が舞い、かじかの鳴き声がします。川のせせらぎをききながら、自然がいっぱいの長湯の景色や風も感じてきてください。
カジカはご存知でしょうか。長湯だけではなく、竹田や黒川や湯布院などの空気が綺麗で、水が綺麗なところでかじかの鳴き声を聞くことがあります。
「ころころころっ…ひゅるひゅるひゅるっ…ころ…ころっ…ころころころ…ふぃふぃふぃ…ひゅぃっひゅぃっひゅい…ひょっひょっひょろ~ころころころっ…」というなんともいえない美しい声を聞いたことがありませんか。
都会の方は虫の声と誤解されることが多いのですが、この声こそがカジカカエルの鳴き声です。声は非常に美しいのですが、石や岩の色に似た地味な姿のかえるです。お世辞でも美しいとは言い難い姿です。実はこの声は雄が雌を呼び寄せる声です。まるでシラノ・ド・ベルジュラックです。

ガニ湯6

ガニ湯伝説

昔、長湯温泉を流れる川にガニがいた。ある日ガニは色白の美しい村の娘に一目ぼれをしてしまた。そして人間になって娘を嫁にしたいと思うようになった。
 たまたまそんなガニの切ない思いを知った川のほとりにある寺の僧が「寺の鐘を百聞けば人に生まれ変れる」と言い聞かせた。
そこで娘が湯あみに来たとき僧が鐘をつき、ガニは川の中からこれを聞いていた。
僧が鐘をつきながらふと娘に目をやると娘のあまりの美しさにこれまた一目ぼれ。鐘を九十九までついて「娘はオレがもらう」と言って娘に近づいたとたん、空ががきくもって大雨となり僧もガニも落雷にやられてしまった。
 しばらくして川の水が引いたところ、川の中にガニの形をした大岩が現れ、無数の泡をともなった湯が湧き出した。
 以来、村人たちはこれを(ガニ湯)と呼ぶようになった。(直入町)(現地案内板より)

ガニ湯7

川の中にあるガニ湯

ガニ湯8

伝説の露天風呂「かに湯」をお楽しみいただくために
 日本一の炭酸泉、「長湯温泉」へようこそお越しくださいました。長湯温泉といえば清流芹川に浮かぶ露天風呂「かに湯」が有名です。
いまは人工の岩風呂となっていますが、昔は自然の軽石の中から炭酸泉が湧出していました。炭酸泉はアワの多さが特徴で、アワを噴く甲羅のような軽石は、かに以外のなにものでもありませんでした。そんな姿から「かに湯伝説」が生まれ、地域はもとより多くの観光客の皆さんに愛されてきました。
 さて、長湯温泉は日本一の炭酸泉。地域全体の炭酸泉湧出量はもちろん日本一、そして平均温度46.9度という高温域で記録されている炭酸ガス濃度1200ppmというのも驚異的なものです。湯船でもそのガス濃度は700ppmを維持していますが、これは花王(株)が製造している入浴剤「バブ」の7倍を誇ります。
炭酸ガスは皮膚から吸収されて披露回復を助けてくれますし、飲むと糖尿病や痛風にも効果があります。
 とにかく、ゆっくりと湯船に体をあずけてください。夜空の星を友に、せせらぎをBGMに、そして蛍やカジカの鳴き声が旅情をかきたててくれます。
 なお、湯船は週2回の割合で清掃していますが、天然泉のため多少ぬめりのあることがありますがご了承くださいませ。
(資料提供:花王(株)栃木研究所) 大分県竹田市直入町(現地案内板より)


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