日田天領まつり 西国筋郡代着任行列
平成21年11月14日(土)~15日(日)、日田市豆田町を中心に日田天領まつりが開催されました。午前11時からは、西国筋郡代着任行列と日田歴史絵巻行列が行われました。行列が始まる前に、豆田町には瓦版を配る瓦版屋さん、案内の栞を配る町娘、べべんちょ飴を配る人などをあちこちで見かけました。
日田天領まつりの中で行われました「西国筋郡代着任行列」は、11月15日(日)の午前と午後の2回行われました。午前中のコースは、月隈公園を11時頃出発し、御幸橋を通り、クンチョウ酒造の前を通り、豆田上町を通り、淡窓町通り、咸宜園に12時頃到着します。
午後のコースは、咸宜園を13時頃出発し、草野本家や様々な商店などが建ち並ぶ豆田みゆき通りを通り、2時頃月隈公園に到着しました。
西国筋郡代とは、九州の幕府直轄領の民事を司る行政官であり代官のことです。16万2千石を所轄し、豊後日田市(現在の大分県日田市)に置かれました。日田は、文禄3年(1954年)豊臣秀吉の蔵入れ地(直轄地)として代官所が置かれ、以来、二度ほど大名支配も行われましたが、それ以外は江戸時代徳川幕府の天領(直轄地)でした。とりわけ、貞亨3年(1686年)以降は日田の陣屋(御役所)にあって、郡代の天領支配が行われました。天領まつりで行われる西国筋郡代着任行列は、郡代が着任する時の行列を再現しています。
西国筋郡代着任行列 奴振り
こちらの奴さんは、今年の日田天領まつりのポスターにも出ていらっしゃる奴さんです。役者さんみたいに渋いです。所作も美しく、動きにキレがあって、すっごく絵になる奴さんでした。声もすごくよくて、お腹の底から出てくる、低く太い「ヨイッ!ヨイッ!」の声がとっても素敵でした。
挟箱(はさみ)は、外出時に着替用の衣服などを中に入れ、棒を通して従者に担がせた箱のことです。江戸時代の携行用の担い箱で、黒塗り定紋付きの木箱です。
奴さんの足並みが揃っていて、お見事でした。奴さんが「ヨイッ!ヨイッ!」とお腹にズンズン響くようないい声で段々近づいてきます。この「ヨイッ!ヨイッ!」って声がたまりません。すっごくわくわくしてくるような、不思議な声です。この声を聴くだけでも価値があるくらいのすごくいい声です。奴さん、男らしか~。かっこよか~。行列が始まるまで曇っていたのですが、奴さんの「ヨイッ!ヨイッ!」の声で光が差してきました。
若八幡宮奴振り
行列の先頭、奴振りに魅了されました。勢いがあり、所作も美しく、動きにキレがあり、張りがあり、よく通る声、奴になりきっている雰囲気、動きも揃っていて、個人も全体も美しく感動しました西国筋郡代着任行列の花形は、奴振りの皆さんです。
宙に舞う毛槍
毛槍を持った奴さんが、1メートルから2メートル離れた別の奴さんへ毛槍を投げ渡します。見事キャッチすると観客から拍手喝采、魅せてくれます。
こちらの奴さんは、長い棒を持っています。鉄製の長い棒のようですが、これは何なのでしょう立傘を持った奴さん立傘も投げ渡しをします。立傘も重いと思いますが、上手に投げ渡しをしていました。毛槍を持った奴さんの演技も迫力がありました。
挟み箱や毛槍や長い棒を持っていない奴さんもいました。袖を持っての演技が渋いです。こちらの奴さん、今年の行列の中で一番観客をわかせてくれた方です。一番高く、遠くに毛槍を投げた奴さん。盛り上げて下さいました。ありがとうございます。
西国筋郡代着任行列の郡代行列の主役は、郡代。郡代は佐藤陽一 日田市長が演じています。
西国筋郡代着任行列の郡代
日田市長の佐藤陽一氏は、日田市生まれの日田市育ち。日田市内の小・中・高等学校を卒業後、九州大学に進み、大分県庁に入庁後、平成19年8月5日に日田市長に就任しました。
にこやかな笑顔の武士は日田市市議会議員です。13名の地方与力が颯爽と歩いていきます。
与力姿が似合っています。
武士に扮した市議会議員さん、のりのりで刀を抜いています。満面の笑みで切りつけるおちゃめな武士。いえいえ、誰も切られていません。切られたのは空気だけ。しかし、この方、とっても笑顔がいいです観客も大喜び、盛り上がっていました。
顔見知りの観客から刀で切られる武士。「やられた~」後ろのお姫様も笑っています。