草野本家
草野本家は、大分県指定有形文化財であり、県内最古の豪商の館です。
所在地:大分県日田市豆田町11-4
駐車場は、草野本家に向かって左手の奥の方にあります。
館内では係りの方が展示物や建物、草野本家の歴史について説明してくださいます。また各所に詳しい説明がカセットテープから流れていて、興味深い話を伺えます。
草野本家は、大分県指定有形文化財であり、県内最古の豪商の館です。日田豆田町というと、お雛祭りを思い浮かべる方も多いと思います。そのお雛祭りの始まりはこちらの草野本家でした。
江戸時代からの雛人形や雛飾り、端午の節句の飾り、古い着物、嫁入り道具など、シルクハット、屏風、帳場、七つ玉そろばん、大福帳など大切に保存された展示物がたくさんあります。
2月最終土曜日~3月 お雛まつり (江戸中期以降のお雛様178体など)
4月~5月 端午の節句・川開き観光祭 (武者人形、鎧、刀、裃(かみしも)など)
7月 祇園祭り (10メートルの山鉾の模型2基、古い楽器や衣装、夏座敷など)
10月~11月 天領祭り (代官所からのお書付、家宝の屏風、お道具など)
「草野本家の屋号は升屋(ますや)、商標を田(かくじゅう)と定め製蝋を業とし、京大阪まで広く販売しておりました。傍ら掛屋として郡代御用達をつとめ、この間幾多の窮民九歳や治水の公益に尽くしてまいりました。家には仏教信奉と親孝行の二つの家憲があり、代々中右衛門を襲名し、当代に至っております。」(草野本家パンフレットより抜粋)
百姓一揆が盛んだった時代も、草野本家は仏教信奉と親孝行で有名だったため、その孝心と人徳に感じて百姓一揆も踏みこまなかったそうです。
草野本家では、下記のようなものを観ることができます。
●店の土間では櫨(はぜ)の実から蝋を作る製造工程
●帳場では、七つ玉そろばんや大福帳、銭箱、天秤、帳簿入れの車だんすなど
●中の間では、相沢時之進の肖像、手鏡、スタンド方ランプ、手紙などをみることができます。
●小座敷では、昔の結納目録、花嫁おみやげ目録など
●本玄関・供待ちでは、お駕籠、家紋入りの箱提灯、朱塗りの行燈など
●隠宅控では、挟み箱、広蓋、弁当箱など
●隠宅では、額、掛け軸、女三代(祖母・母・嫁)の打ち掛け、振袖、和楽器、陣笠、シルクハット、稚児の冠など
●茶室では、掛け軸、膳、器、燭台など
●新座敷では、家憲の書「信仰と孝養」、掛け軸「孝養」、手紙、般若心経の巻物など。
カセットテープや係りの方から詳しい説明を聞くことができますので、ゆっくりとひとつひとつご覧下さい。
草野本家の中は残念ながら写真撮影禁止でした。今回は、お願いをしてお庭の撮影許可のみ頂きました。お雛祭りの時期は、178体のお雛様が飾られ圧巻です。草野本家のお雛様は必見です。
江戸時代の商家だった草野本家は国の重要文化財に指定されています。草野本家は、昭和60年に大分県指定有形文化財に指定されていましたが、居蔵造りという地域的な特徴を良好な保存状態で維持されていることなどが評価され、国の重要文化財に指定されました。また、明治前期煎茶意匠の様式建築がみられる事もわかりました。
草野家住宅
草野家は寛永期に筑後から豆田町に移住し、元禄期に現在地に居を構えた。製蝋業を営み、代官所御用達、庄屋役をつとめた豪商で、初期の建物は明和9年(1772年)の火災でほとんど焼失したが、仏間と座敷蔵の2棟のみが現存する。
主屋はこの後建造され、奥座敷は文化・文政の頃の建築である。木造瓦葺切妻屋根の平屋一部2階建構造で、間口15間、奥行き14.5間、土蔵4棟を含む。
毎年2月には所蔵の雛人形をを公開するなど、豆田町を象徴する建物のひとつでもある。(日田文化財マップより)
日田市豆田町 草野本家にて、平成21年11月12日(木)~23日(月・祝日)の期間、華道家假屋崎省吾氏の作品が展示されました。
また、国指定重要文化財の長福寺、日本丸館、天領日田資料館にも假屋崎省吾氏の作品が展示されました。華道家假屋崎省吾氏は、福岡県飯塚市の伊藤傳衛門邸でも作品展というか、屋敷自体を花で彩るということもされていました。
他にも国登録有形文化財の「目黒雅叙園百段階段」でも個展をされたそうです。目黒雅叙園百段階段には行けなかったのですが、自称「平成の花咲かじいさん」の華道家假屋崎省吾氏が伝統的建築物に花を活け、息を吹き込む姿を2度に渡り、5箇所もみることができたのは幸運でした。
写真を撮ることは許可されていませんので、写真を紹介できないのが残念です。テレビで観る女性的な感じとはかなり違い、ダイナミックで男らしい活け方ですね。そこに繊細さが加味され、独特の雰囲気を醸し出していました。