九州旅・九州各地の温泉・四季・町並・歴史

薦神社 三角池

薦神社は、三角池を御神体とし、池を内宮、神殿を外宮と称しています。宇佐神宮との関係が深く、宇佐行幸会の際に神輿に納める霊代の枕は三角池の真薦で作るのが習わしでした。

三角池1

所在地:大分県中津市大字大貞209

三角池2

三角池(御澄池)は、5ヘクタール余りの広い池です。三角池そのものが御神体です。

三角池3

昔は三角池にはえている真薦(マコモ)という植物を枕状に編んで、宇佐神宮のご神体の御験にしていました。マコモは、イネ科の多年草で、水辺に生育し、秋には薄紫色の小さい花を付けます。

三角池4

薦神社(こもじんじゃ)は、宇佐神宮の祖宮といわれ、内宮は渡来人が造った広大な三角池「御澄池」です。八幡宇佐宮神託集によれば「下毛郡野仲郷の大森林は眼界も及ばず霊木が森をなし、人が立ち入ることが出来ない。薬草が群生し果実も多いが人は恐れて近づかない。遠くから眺めると目がくらみ(以下略)」とあります。まさに神域といえる三角池の描写です。「比薦為御枕。発百王守護之誓」は有名な719年の三角池の神託で、コモ枕をつくり八幡大神の神験「御神体」として隼人討伐に遠征し勝利したと伝えられています。(大畑校区歴史マップより)

三角池5

三角池は、現在でも真薦の群生地であり、ハンノキ林、ハス、オニバス、スイレンなど貴重な植物が残存しています。

三角池6

三角池の中には朱塗りの鳥居があります。

三角池7

「大分県指定 史跡 三角池(みすみいけ)と薦神社」 昭和51年3月30指定(以下現地案内板より)  薦神社は、別名大貞八幡(おおさだはちまん)とも呼ばれ、宇佐八幡宮の元宮(もとみや)でもあると伝えられる。 史跡範囲は、内宮である5ヘクタール余の池と外宮の社殿からなる。池は、三角池(御澄池)とも呼ばれ、池そのものが御神体である。 三角池に自生する「真薦(まこも)」を刈り取って、池の名中の敷島で乾かし、宇佐八幡宮の御神体である「御枕」にしたという。 社殿は、承和(じょうわ)年間(834年~848年)の草創と伝えられるが、三角池の築造はこれより古いといわれる。 薦神社が祀る八幡神は、池の守り神でもあったといわれる。 当時、大陸の技術を持つ渡来人によって、各地の水利不便な台地に多くの溜池が造営されたという。三角池も、こうした溜池の一つであると考えられている。  三角池は、穏やかに起伏する洪積台地を利用して作られ、北東から南西へ手のひらを置いたような形をしており、手の先にあたる南西側には三つの澤がある。入江状の澤は浅く、ハスが密生し、マコモの群生地となっている。 御神体でもある三角池では、池・植物・魚などが大切に扱われ、それゆえに貴重な水生群落、入江に群生するマコモ群落やハンノキ林などが残っている。 薦神社の周囲は、かつて鬱蒼とした森であった。現在でも、社殿のある一帯は、コジイ=クロキ群集の常緑広葉樹林に覆われ、イチイガシ林、クスノキの巨樹とあわせて境内林をつくっている。  なお、三角池の植物と植物群落は、大分県指定天然記念物『三角池の水生・湿地群落』に指定(昭和55年4月8日)されている。                              平成7年7月1日(中津市教育委員会)

三角池8

三角池9

三角池10

三角池15

薦社内宮と扁額に刻まれています。

三角池11

三角池12

三角池13

三角池は、静かで神聖な空気が満ちていて、水面をぼーっと眺めていたら、あっという間に時間が経っていました。

三角池14


大分一覧

  大分  別府・日出  国東  豊後高田  杵築
  宇佐・中津  臼杵・佐伯  日田・玖珠  竹田・大野