熊野磨崖仏
胎蔵寺横の山道を15分ほど登った所にあります磨崖仏です。大日如来像と不動明王像が岩に刻まれています。
所在地:大分県豊後高田市田染平野2546-3
熊野磨崖仏の造立は、藤原末期と推定されるそうです。
不動明王像
総高約8m、大日如来と同じく半立像で下部はあまり人工を加えていない。
右手に剣を持ち、巨大且つ雄大な不動明王であり、左側の弁髪はねじれて胸の辺まで垂れ、両眼球は突出し鼻は広く牙をもって唇を噛んでいるが、一般の不動らしい忿怒相はなく、かえって人間味ある慈悲の相をそなえており、やさしい不動様である。(熊野磨崖仏パンフレットより)
胎蔵寺の阿闍梨 智照尼から、「熊野磨崖仏の仏様は、一度お参りすると一生覚えていて下さる。」と教えて頂きました。なんと優しい仏様なのでしょう。しかし、優しい仏様にもう一度会いに行きたくなります。
大日如来像
全身高さ6.8m、脚部を掘って見ると石畳が敷かれ、地下に脚部が埋没しているのではなく半立像であり、尊名は大日如来と云われているが、宝冠もなく印も結んでいないので薬師如来ではないかとみるむきもあるが、やはり大日如来の古い形ではなかろうか。
頭部の背面に円い光背が刻まれ面相は頬張った四角い顔にとぎすました理知の光と思想の深みが感ぜられ、森厳そのものであるが、また慈悲の相も感ぜられる。(熊野磨崖仏パンフレットより)
切れ長の目に、くっきりとした螺髪が印象的な大日如来像です。