金剛山 長安寺
六郷満山の中山本寺で、養老2年(718年)に仁聞菩薩の開基と伝えられる古刹です。鎌倉時代には、六郷満山の100以上の寺院を統括する地位を占めていました。
所在地:大分県豊後高田市大字加礼川635
拝観時間:8:00~日没まで 駐車場:無料駐車場20台
安貞2年(1228年)の「六郷満山諸勤務行並諸堂諸祭等目録」には、長安寺を指して「惣山」と記されています。鐘楼門跡から延びる参道の両側に坊と田畑が並んでいます。寺と坊が一体となった六郷満山の中山寺院の姿を留めています。
国指定重要文化財の太郎天像と二童子立像(共に藤原時代1130年の秀作)、銅板経(1141年)とそれを納める経筥(きょうばこ)などを所蔵しています。
境内から長い石段が山へ向かって続いています。階段の両脇には、句碑(参拝者の句を石板に掘っています)などが奉納されています。長安寺は、別名シャクナゲ寺とも呼ばれ、4月中旬から5月にかけてシャクナゲが咲きます。6月には紫陽花、9月には赤と白と黄色の彼岸花が咲きます。長安寺は、四季折々の花が咲き、秋には紅葉を楽しめます。
六郷満山 中山本寺 金剛山 長安寺 (天台宗)
所在地:豊後高田市大字加礼川字屋山
本尊 千手観音菩薩
由緒:元正天皇御宇養老2年(718年)仁聞菩薩の開基と伝える。平安末期国東反阿藤の六郷に佛教文化が華咲いた、鎌倉時代。この寺が六郷山寺院の惣山として最盛期を迎える。学頭職や惣別当職がおかれ、満山百余ヶ寺約1千人の僧侶を統率。事あるに臨み国家の安泰将軍家の隆盛を祈祷す。南北朝室町時代は武家の勢力に押されながら安土桃山時代、屋山城主 吉弘鎮信及びその子統幸は、長安寺の別当 執行権を握り主軸となった。仏神の恵みと武家の力は寺勢を増大、庶民信仰の霊場としても繁栄した古刹である。
文化財
1.太郎天像及び二童子立像国重文 昭和45年5月25日 大治5年(1130年)僧儀暹 同勝智 同円尋の作 榧材一木割矧造り
2.銅板経 附 同筥板 国重文 昭和25年8月29日 保延7年(1141年)僧源増 紀長雅 紀重永等が供養
3.国東塔 1基 県有文 昭和54年5月15日
4.長安寺含む2院11坊跡六所権現社 県史跡 昭和54年5月15日
5.宝筐印塔 1基 市有文 昭和52年4月1日
6.その他 阿弥陀如来像 地蔵菩薩立像 不動明王立像 石造美術品 修正鬼会仮面等寺宝がある
産小屋解説:不浄道から上の居住者で妊婦が産気づくと産小屋で出産する。忌明けを持って産婦は目出度く家に帰る古習が今もなお受け継がれている。豊後高田市観光協会(現地案内板より)
鐘楼
長安寺石造台輪鳥居
長安寺国東塔