天台宗 長岩屋山 天念寺
養老2年(718年)仁聞菩薩の開基と伝えられる古刹です。堂宇は天念寺岩峰と呼ばれる奇岩の連なりを背に建っています。
所在地:大分県豊後高田市長岩屋
拝観時間:4月~11月 9:00~17:00 12月~3月 9:30~16:00 休館日:第2.4火曜日(祝祭日は除く)
堂内には木造日光、月光菩薩坐像、吉祥天立像等、藤原時代の仏像5体が安置されています。天念寺の前を流れる長岩屋川の中には川中不動があります。
※天念寺に併設する伝統文化伝習施設「鬼会の里」には、国の重要文化財である阿弥陀如来立像が展示されています。また「修正鬼会」も体感できるシアターも兼ね備えています。
天念寺(てんねんじ)本堂 長岩屋山 天念寺
六郷満山中山本寺(ろくごうまんざんなかやまほんじ)の一つであるこの寺は、かつては12の院及び坊で構成されていました。
現在は本堂、講堂など僅かな建物しか残っていませんが、境内には多くの文化財が点在しています。本尊には平安時代末期の作で、県有形文化財に指定されてる釈迦如来坐像が安置されており、前を流れる長岩屋川には、大岩に不動明王と二童子が刻まれています。
また、この寺は修正鬼会(しゅじょうおにえ)が行われる寺として知られ、旧正月七日の夜に近隣の六郷満山院から集まった僧侶達の読経に始まり、講堂では松明(たいまつ)を持った鬼が勇壮な法舞を行います。豊後高田市観光協会(現地案内板より)
天念寺 国宝堂跡
元々この場所には、国の重要文化財である阿弥陀如来立像など六体の仏像(平安仏)が安置されていて、国宝堂と呼ばれていました。昭和16年(1941年)10月1日に起きた三畑池堤防潰壊のため損壊した本堂の再建資金を得るために、昭和36年(1961年)に埼玉県の寺院に売却されました。
しかし、平成9年(1997年)に大分県などによって仏像が買い戻され、約40年ぶりに天念寺に戻ってきました。平成15年(2003年)に開設された天念寺伝統文化伝習施設「鬼会の里」に安置されています。現在鬼会の里に安置されている木造阿弥陀如来立像は、高さ198cmの檜の一木造で、平安時代後期の作と伝えられています。明治39年(1906年)に旧国宝に指定されていました。
優しい温和な表情で、両手のてのひらを前にむけて立っていらっしゃいます。地元の仏師の作だと伝えら得ています。
石門柱
天念寺の本堂から講堂へと進む途中にこんな石の柱がありました。「昭和16年10月1日三畑池堤防潰壊のため流失破損」と案内板に書かれています。ここに鳥居があったのでしょうね。
神の徳を仰ぐ天門の道・・・なんだかすごいですね。三浦梅園が書いた鳥居銘文の意味がいまいちわからないのが残念です。