別府市公会堂(復元前)
現在の別府市中央公民館は、1924年(大正13年)の別府市制施行を記念し、1928年(昭和3年)に別府市公会堂として建設されました。鉄筋コンクリート造の貴重な近代建築のひとつです。別府市指定有形文化財です。※このページの写真は、平成28年3月の復原以前の写真です。
設計者:吉田鉄郎 所在地:別府市上田の湯町6番37号 建設:昭和3年3月28日 設計:吉田鉄郎 建築面積:1181.5平方メートル 大分県下に現存する最も古い鉄筋コンクリート造の建築物です。
平成26年10月に着工した「中央公民館・市民会館」の改修工事が完了し、「中央公民館・市民会館」は、建設当時(昭和3年)の姿に復原したことに伴い、「別府市公会堂」としてリニューアルオープンしました。(平成28年4月1日供用開始)当ページの写真は、リニューアル前の写真です。
設計者の吉田鉄郎は、当時逓信省営繕課の設計者でした。1933年(昭和8年)には、東京中央郵便局、1939年(昭和14年)には、大阪中央郵便局を設計しました。吉田鉄郎は、日本の近代建築に大きな影響を与えました。当時のスエーデン・ストックホルムの市庁舎をモデルにしたと伝えられています。外観の壁面にも鳥がデザインされていて、おしゃれですね。
中央公民館の生い立ち
「泉都別府に公会堂なきは一大欠点とする所なり。故に別府市制敷かれ、市長神澤又市郎新たに就任するに及び、計画あんばい、つぶさに案を具して市会に提出し其の容(い)るる所となる」(別府市誌より)
こうしてこの公民館は昭和3年(1928年)に公会堂として建築されました。 近代ドイツ復興式に和風を加味したこの建物は、近代ヨーロッパ建築に詳しかった吉田鉄郎氏の設計によるもので、別府市技師池田三比古氏が製図と現場を担当、総工費は当時の金額で43万円でした。
当初は正面に大階段があって、入った所が一階(現在の二階)で大ホールと休憩室、二階(現三階)には貴賓室と食堂、地階(現一階)には大食堂、浴室、ビリヤードがありましたから、当時はきっと「別府の名所」として威容を誇り、たくさんの見物客が訪れていたことでしょう。
戦前、戦中は演説会が多かったようですが記録は残っていません。 昭和25年から中央公民館として各種の学習活動や会議、講演会、大会、発表会、文化活動、研修講座の開催等いろいろなことに利用されて現在に至っています。
歴史と伝統のある古きよき建物ですから、これからも「来たときよりも美しく」の心で、みんなで大切に活用しましょう。(現地案内文より)
別府市民会館(旧別府公会堂)の外観は、落ち着いた黄土色のスクラッチタイル貼りです。因みに、スクラッチタイルとは、表面に小さなくぼみをつけて焼き上げた無釉のタイルのことで、茶系統の色調を持つ外装用のせっ器質タイルのことを言います。スクラッチタイルは、湿式形成をする際に、針状の突起物を口金につけて作られています。
星月夜のステンドグラス
別府市中央公民館(旧別府市公会堂)のステンドグラスは、星と月と空と雲がデザインされていて、リズミカルで浪漫があって楽しいです。
ステンドグラスは、南側の2階から3階へと上っていく途中の踊り場にあります。青い色がとても素敵できれいでした。時間帯によっては、ステンドグラスの青い光が廊下に映ります。
手洗い場の蛇口の上には可愛い天使の像がありました。
復原前の廊下には普通の蛍光灯が設置されていました。
会議室の大鏡
復原前の3階第2会議室には、畳が敷かれていました。
照明器具がレトロだけどおしゃれです。
ドアノブもレトロです。
六角形の覗窓
大ホールを廊下から覗く窓です。おしゃれです。
別府市中央公民館の正面(前庭)にある裸婦像
制作者:長谷秀雄 設置年:昭和55年(1980年) 設置場所:別府市中央公民館前庭 設置者:別府市教育委員会
空襲警報サイレン
丸窓