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別府竹瓦小路題

別府竹瓦小路(たけがわらこうじ)は、竹瓦温泉の真ん前にあります。レトロな喫茶店、マッサージ屋さん、スナック、バー、居酒屋、お菓子屋さんなどが軒を連ねます。

竹瓦小路1

所在地:大分県別府市
竹瓦小路の木造のアーケードは日本一古いそうです。
竹瓦小路(たけがわらこうじ)
港からおりて 傘いらずのアーケードを抜ければ そこは竹瓦 屋根はモダンなガラス張り きらきらネオンが ガラスに映える(現地案内板より)

竹瓦小路2

初代はっちゃんぶんちゃん

はっちゃんは、ギター流しです。本名は、上野初(うえのはじめ)さん。動きがすっごい面白くて、ぜんまい仕掛けの人形の様な不思議な動きをされるので、お茶目でユーモアたっぷりのはっちゃんは、拝見しているだけで楽しくなります。ちょっととぼけた会話がまた珍妙で、一度お会いするとはまってしまいます。
ぶんちゃんは、アコーディオンを弾きながら歌う専業流しです。本名は、日浦文明さん。懐かしい歌や演歌、軍歌、別府に纏わる歌、そして最近の流行歌までこなします。声量があり、声がすごくよくて、歌もうまいので聞き惚れます。湯の町エレジー、きよしのズンドコ節などバラエティ豊かなレパートリーには驚きます。何千曲というレパートリーがあるそうです。ぶんちゃんは、ハンサムでとっても姿勢がいいです。そして声がとっても若いのに驚きます。声がよく通るのでぶんちゃんが歌っていると人が集ってきます。様々な歌も全部歌詞を覚えていらっしゃるのですからすごい記憶力です。

竹瓦小路3

はっちゃんとぶんちゃんは、別府の竹瓦温泉横丁、銀座裏通り、梅園通りなどの夜の別府の路地裏で流しをしていらっしゃいました。さんまのからくりテレビに登場してからは、全国区の人気者になりました。最近は全国ネットのテレビ番組や様々な雑誌にも登場していますので、はっちゃん・ぶんちゃんの姿をみかけるとみなさん声をかけていらっしゃいました。
「テレビでみています。がんばってください。」と若い女性に声を掛けられたら、はっちゃんがすごく嬉しそうに「おっ!やったね!」と喜んでいました。でもその後「今の人誰?」と私に尋ねられたので私も答えに困り、「どこかの若い女性、はっちゃん・ぶんちゃんのファン・・・」と答えると、笑顔が返ってきました。

竹瓦小路4

私たちが竹瓦温泉の前で休憩していたら、ちょうどぶんちゃんが竹瓦温泉から出てきました。「こんばんは、ぶんちゃんですよね。」と声を掛けると素敵な笑顔で挨拶してくださり、気軽に色んなことをお話してくださいました。
高校を卒業してからずっと流しをされているそうです。カラオケブームの影響で途中数年流しから離れていた時期があったそうですが、あとはずっと別府で流しをされているそうです。若い頃はぽっちゃりと太っていたそうですが、奥様に先立たれ、食が細くなり痩せられたそうです。その口調からぶんちゃんがいかに奥様を愛されていたのかが伝わり胸がじ~んと熱くなりました。
優しい人柄が滲み出ていて、束の間の時間でしたが、お話を伺うことができてとっても嬉しかったです。「若い頃はもてたでしょう」と尋ねると、「そりゃ、昔は楽器ができるだけでもてたからね~」と照れ笑いされていました。はっちゃん・ぶんちゃんとお会いしてたくさん元気と優しさを頂きました。別れ際には握手までしてくださりとっても嬉しかったです。
初代はっちゃんこと、上野初さんは、2009年07月16日 老衰にて永眠されました。
初代ぶんちゃんこと、日浦文明さんは、2016年10月3日に永眠されました

竹瓦小路5

。流川通りが大変な賑わいだった大正10年の12月1日に、流川通り~竹瓦温泉までの市場が完成しました。それが竹瓦小路です。天井がガラス張りのアーケードは当時は画期的なことだったそうです。

竹瓦小路6

今は人通りは多くはありませんが、なんだか懐かしさがこみ上げてくる小路です。別府名物の竹細工の店やつげ櫛屋、別府しぼり、別府の特産品、化粧品店などが軒を連ねていたそうです。当時は県外、四国、関西などからも見学の人が来るほど賑わったそうです。

竹瓦小路7

木製のアーケードに入って、少しすると、スナックや風俗店が立ち並ぶ「裏銀座通り」があります。
裏銀座通り
銀座裏の道端で 酔っ払いが一息つくうつらうつらと居眠りがはじまり 夢が今日も夜空へと流れ出す。とおりのあちこちから聞こえる小さな寝言 夢の中でも会話の続き(現地案内板より)

竹瓦小路8

古い写真なども飾られています。

竹瓦小路9

裏銀座通りを過ぎて、竹瓦小路を抜けると竹瓦温泉です。

竹瓦小路10

昼の竹瓦小路

竹瓦小路12

昭和情緒と人情の「竹瓦界隈路地裏散歩」

別府八湯のひとつである「別府温泉」は、明治4年完成の「別府湾」から発達した温泉町です。今だに温泉文化が息づいている面白い街です。平成11年から始まった「竹瓦温泉」を中心にした「路地裏散歩」には昭和情緒と人情があふれており、みんなの心をなごませてくれます。
春やよし 宵やぬくしと ゆるゆると 歩める人は みな湯治客  良道
(現地碑文より)

竹瓦小路11


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