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宮崎県庁

宮崎県庁の現在の建物は、昭和7年(1932年)に建築されました。

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所在地:宮崎県宮崎市橘通東二丁目10-1
昭和7年(1932年)建築
建築費は、当時で約70万円(現在の価値で約50億円)
九州では唯一の戦前から残る県庁舎、日本では4番目に古い県庁建物です。
地下1階、地上三階、国旗・県旗掲揚台のある中央部が5階建て
知事の執務室は2階東側です。

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宮崎県庁の正面玄関は、自然石をふんだんに使った重厚な雰囲気です。正面のフェニックスは、現在97歳(2007年現在)です。フェニックスは宮崎県の県の木でもあります。このフェニックスは、本館建設と同時に移植されました。

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県庁舎の建物の外側のタイルは、縦方向にひっかき傷のような模様があることから、スクラッチタイルと呼ばれています。
県庁舎の外壁に、壁を支えるように張り出した控壁のことを、バットレスというそうです。バットレス状の柱型を並べ、その上端を尖らせるという近世ゴシック様式の特徴があり、門柱から車寄せ、庁舎壁面に至るまで、突起状の装飾で統一された外観は美しいです。

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正門から県庁舎玄関を繋ぐ前庭には、県木フェニックスの他、ワシントニワパーム、びろう樹、アコウ、ソテツ、はまゆう、リュウゼツランなどの亜熱帯植物が植栽されています。

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宮崎県庁舎は、平成7年に耐震診断を行った結果、煙突を除いて他の部分は、現代の耐震基準レベルを満たしているという結果だったそうです。外観だけではなく、優れた建設技術によって建てられた素晴らしい建物です。煙突部分は耐震補強済みだそうです。

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ホールの照明

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宮崎県庁の玄関ロビーは、自然石を惜しみなく使い、直線と曲線を組み合わせた美しい空間です。この正面の大理石の重厚な階段は、宮崎県北の五ヶ瀬町で採石された石を使っています。4億2千万年前の石で、化石が埋まっています。ハチノスサンゴ、ウミユリなどの化石が埋まっている場所に化石の名前のシールが貼っています。

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階段の踊り場の正面の壁には、県の花「はまゆう」の絵画が飾られています。はまゆうとは、漢字で書くと浜木綿。6月~9月頃まで大きな白い花を咲かせます。重なりあった緑の葉の中央から、よい香りの白い花が咲いている様は見事です。はまゆうは、日南海岸で多くみられます。

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大理石の階段の手摺には照明が置かれ、透かし模様の飾りもみられます。宝塚の女優さんが歌いながら降りて来そうなモダンで素敵な雰囲気です。

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楠並木通りに面した門柱右側の表札をよく見ると「宮崎県庁」の庁が「广+聴」になっています。これは、広く県民の声を聴くという意味が込められているそうです。



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