仙巌園の錫門
仙巌園の錫門(すずもん)は、正門の右手奥、磯御殿の入口前にあります。
所在地:鹿児島県鹿児島市吉野9700-1 仙巌園内
磯御殿の入口の前に位置しています。仙巌園の中門として使われていました。かつては、当主と嫡男のみしか通ることが許されていなかったそうです。
朱漆塗りの門に、錫で葺いた瓦が映えています。
錫門は、かつて薩摩藩の特産で屋根を葺いた朱漆塗りの門です。錫瓦葺きの建造物としては、わが国唯一のもので、嘉永元年(1848年)の庭地拡張までは、仙巌園の正門として使用されていました。この門は、19代島津光久の時に建てられたと伝えられており、その優美な姿を今日に伝えています。
その当時、谷山地区(鹿児島市南西部)の山から錫鉱山が発見され、薩摩藩主が早速技術者を集め、採掘を始めました。錫は金・銀に並ぶ高価な金属でしたので、島津藩の財源を担うほど、多量の錫が採掘されていました。現在この地区では、錫は採掘されていませんが「錫山」と言う地名が残っています。(現地案内板より)
錫の屋根は重さが約1トンあるそうです。