旧出津救助院
ド・ロ神父が女性の自立支援のための作業場として明治16年(1883年)に建て、機織、縫物、製粉、パン、そうめん、マカロニ、搾油などを行った施設です。
所在地:長崎県長崎市西出津町2696-1
開館時間:9:00~17:00
授産場は救助員の中心施設的建物です。木造2階建てで、1階は作業場、2階は修道女の生活の場などに使用されていました。
1階外壁には目地に赤土を混ぜた漆喰を使用した、通称「ド・ロ壁」と呼ばれる石積みが用いられています。
国指定重要文化財 旧出津救助院
旧出津救助院は、明治12年(1879年)、外海地区の主任司祭としてこの地に赴任した、パリ外国宣教師、マルコ・マリ・ド・ロ神父が、村民の窮状を救うために私財を投じて創設した授産・福祉施設です。現存する授産場は、ド・ロ神父の設計施工により、明治16年(1883年)に竣工しました。その東方にマカロニ工場を配し、建物から「ド・ロ塀」が延びています。続いて鰯網工場(ド・ロ神父記念館)が明治18年(1885年)に竣工しました。
救助院では、日記、算術などの学業を授け、製粉、機織、パン、そうめん、マカロニ、搾油などの技術を教えました。使用された機械器具はド・ロ神父がヨーロッパ諸国から購入したものです。
旧出津救助院は、顕著な地域的特色を有し、西洋の建築技術を取り入れた、明治初期の授産・福祉施設という他に例をみない、貴重な文化財です。
平成15年12月25日指定 (現地案内板より)
歴史の道
明治12年、出津(しつ)教会の神父として赴任した、マルコ・マリ・ド・ロ神父は社会福祉事業の場所であった救助院との往き来にこの小径(こみち)を使いました。宗教の布教だけでなく、人類愛の精神をこの地で示した、ド・ロ神父の心を伝える歴史的に意義深い小径です。(現地案内板より)