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玉名大神宮

菊池川右岸の玉名平野北側にあり、遥拝宮とも呼ばれている神社で、玉名の地名の由来である「玉杵名」の地とされています。

玉名大神宮1

所在地:熊本県玉名市玉名4600
御祭神:主神:天照大神・景行天皇
相殿:健磐龍神・國龍神・比咩御子神

玉名大神宮2

玉名大神宮御由緒

玉名大神宮の「家系録」に、景行天皇が熊襲(南九州の民)征伐の途中「玉杵名邑」に来た時、土蜘蛛津頬(豪族の長)が抵抗しました。景行天皇は天照大神を祀って拝み、お祈りをすると、玉のような小石が落下して土蜘蛛津頬を退治しました。この小石を神の霊として尊び、祀りました。この事から大神宮を遥拝宮ともいいます。
 玉名大神宮の祭神は天照大神と景行天皇ですが、菊池則隆の進出により菊池氏と結びついた阿蘇信仰が玉名に影響して、健磐龍の神などの阿蘇の四座と玉依姫とその昇進菊池則隆夫妻が祭神として祀ってあります。
 秋の大祭には、江戸末期頃から伝えられている「玉名神楽」が「子ども神楽」と共に「玉名神楽保存会」によって奉納されます。
玉杵名の里づくり委員会 (現地案内板より)

玉名大神宮3

玉名誕生の地

奈良時代の歴史書「日本書紀」(720年)の記事によれば、玉名は「玉杵名邑」と呼ばれていました。その後、平安時代の「和名抄」の玉名郡名に「多満伊奈」と読まれ、大宰府天満宮の「天満宮託宣記」に「玉井名」の記録があり、「タマキナ」から「タマイナ」に変化し、「タマナ」と音がつまったと考えられています。「玉杵名」は「魂来名」のことで「神霊の安らぎの地」と理解され、「玉」は霊、「杵」は来る、「名」は土地を意味しています。
 この玉名大神宮一帯が「玉名」の地名の発祥の地とされています。
 なお、大和朝廷時代に日置氏(玉名郡司)は、最初に活動の中心としたのが「玉杵名邑」です。従って、7世紀頃は、初期の「玉名郡衙」(役所)が置かれ、政治、宗教の中心であったと考えられています。
玉杵名の里づくり委員会 (現地案内板より)

玉名大神宮4

鳥居

玉名大神宮5

鳥居の扁額

玉名大神宮6

玉依姫

「玉依姫」(玉世姫)は伝説では、魂の力が宿るとされる玉のような霊石を管理する神聖な巫女とされています。
 菊池則隆氏が菊池に館を構えた(11世紀後半)際、その息女玉依姫に玉名郡を化粧田として与えて、大神宮の社地に住まわせたとの説がありますが、玉依姫信仰は、菊池氏より古い時代に玉名に入ってきたとも考えられています。
 一説には、肥後琵琶の一席、「都合戦筑紫下り」の物語が知られ、玉依姫は、桓武天皇(平安初期=790年頃)の右大臣の娘でしたが、天皇に見い出されて玉名郡を賜り、京の都から玉名に移住し、玉名地方を治めて、祭神として祀られるという物語です。
 「玉依姫」の墓とされる石造りの供養塔に姫野法名が刻まれています。
 江戸時代の作とされる玉依姫女神像は、十二単衣に緋色の袴、頭部の華やかな冠、色白で面長な顔でやさしく諭すような表情で東末社に祀られています。
玉杵名の里づくり委員会 (現地案内板より)

玉名大神宮7

狛犬阿形

玉名大神宮8

狛犬吽形

玉名大神宮9

狛犬阿形

玉名大神宮10

狛犬吽形

玉名大神宮11

玉名大神宮12

拝殿

玉名大神宮13

玉名大神宮14

玉名大神宮15

東末社

御祭神:玉依媛命・菊池則隆公・菊池隆定公・菊池経隆公・菊池能隆公

玉名大神宮16

玉名村の石燈籠

玉名大神宮17

門司直志先生頌徳碑


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