八千代座の内部
明治43年(1910年)に建設された芝居小屋の内部を紹介します。
八千代座舞台
所在地:熊本県山鹿市山鹿1499番地
間口:13.38m 奥行:10.5m 廻り舞台直径:8.45m
収容能力:700人
江戸時代の歌舞伎劇場の古典的様式の中にドイツ製のレールを使った廻り舞台や枡席・花道など、充実した機能を持ち、江戸時代の歌舞伎小屋の様式を今に伝えています。
舞台
舞台中央には、廻り舞台と呼ばれる舞台装置があります。歌舞伎などで、場面転換を早めるため効果的に使われるもので、舞台裏には次の場面が準備されています。この廻り舞台を支えるレールと車輪はドイツのクルップ社製のものです。
スッポンは、花道に舞台から3対7の位置にあるみこし上の台で、上下に動き、芝居では忍者や妖怪が、ここから登場します。舞台には、同じ仕掛けのせりと呼ばれる舞台装置があります。(八千代座パンフレットより)
座席
1階平土間の桝席、舞台に向かって左手の下手桟敷、右手の上手桟敷、2階は、下手桟敷、上手桟敷、向桟敷があります。客席全体が後ろにいくほど高くなっていて、後ろの席でも舞台が見えるように設計されています。平土間は、3段にわたる勾配が付けられています。1階と2階上手・下手後方と正面に椅子席を設けています。1階木戸口から入ってすぐの場所に車椅子席を設けています。
1階桝席と上手桟敷
1階座席は、本花道と仮花道に囲まれ、舞台の高さより一段低く、木の棒で仕切られた桝席と左右の桟敷席からなります。1・2階ともに、舞台に向かって右側を上手桟敷と呼び、お得意様席となっていました。(八千代座パンフレットより)
1階席と2階席
2階桟敷席の前方三方は、朱漆塗の欄干がめぐらされ、華やかさを醸し出しています。建設当時の定員は、階下が830人、階上が444人の合計1274人でした。現在は約650人を収容します。(八千代座パンフレットより)
1階平土間桝席
客席は一段低くなっている桝席と桟敷席からなります。桝席、桟敷席ともに勾配がつけられ、舞台が見やすいように設計されています。
シャンデリア
真鍮製の大きなシャンデリアは、第二次世界大戦中に金属供出で取り出されましたが、修復工事の際に、約60年ぶりにその優美な姿を再現しました。(八千代座パンフレットより)
シャンデリアと天井広告画
極彩色鮮やかな天井広告画は、建設当初の広告画を復元しました。
天井広告
格子天井に色鮮やかな天井絵がびっしりと敷き詰められています。これらの天井絵の1枚1枚が広告になっています。約60枚の天井絵が飾られています。隅の方に八千代座の紋も描かれています。
天井広告画
広告画には、呉服商、米穀商、食料、石炭、肥料、木炭、履物商、陶磁器商、仕出し、菓子製造、日本酒、お茶、文具、書籍、化粧品、雑貨、氷など様々な業種の広告が描かれ、往時の山鹿の繁栄を物語っています。八千代座建設時の出資者でもあった地元旦那衆が広告も出したのでしょう。
演目予告画広告画
提灯
千代の園の広告が書かれています。
提灯と座布団
手すり
釘隠し
八千代の文字が刻まれています。
煙草入れ
音響ブースから舞台を望む
座布団と提灯
座布団
八千代座の紋が描かれています。
奈落へと続く階段
花道、すっぽんの横
シャンデリアと座席
提灯
回廊