阿蘇国造神社
国造神社(こくぞうじんじゃ)は熊本の中でも古い神社の一つで、阿蘇神社の北に位置する為「北宮」とも呼ばれる神社です。
所在地:熊本県阿蘇市一の宮町手野2100
御祭神:速瓶玉命(阿蘇の開拓神・健磐龍命の第一子)・雨宮媛命、高橋神、火宮神
速瓶玉命は父の健磐龍命とともに阿蘇の開拓に尽くしたといわれ、牛馬を育て、田畑に水を引き農業を起こしたと伝えられている。このような理由から農業の神様、五穀豊穣の神様としての信仰が厚い。
境内には大鯰の霊を祀った「鯰宮」、「手野の大杉」、「白蛇の桧」などがある。(現地案内板より)
鳥居
国造神社は、杉やヒノキなどが繁る深い森の中に鎮座しています。
阿蘇12神の内、速瓶玉命(はやみかたまのみこと)を始め4柱の神々を祭ってあります。阿蘇神社の本宮ですが、その北方にあるところから北宮ともいわれています。現在の社殿は寛文12年(1672年)細川綱利の造営で、県内でも有数の古い建築物です。境内には幹廻り12m、高さ60m、樹齢2000年以上という大きな杉があり、「手野の大杉」ともよばれ、国の天然記念物に指定されています。
拝殿
拝殿と桜
鶴の彫刻
邪鬼の彫刻
邪鬼が木に噛みついています。
違い鷹の神紋
阿蘇神社と同じ、違い鷹の神紋
拝殿
拝殿の彫刻
拝殿と本殿
手野の大杉
高さ:約48m 幹囲:約11m(昭和45年測定)
この杉は、ここ国造神社の主祭神 速瓶玉命のお手植えの神杉として伝えられ、県下でも最大級の巨木えあった。昔は「手野の神杉」、「手野の二本杉(夫婦杉)」といい、2本あったというが、男杉は文政年間(1818年~1830年)に雷火により伐採され、この女杉だけが残っていた。現在、男杉の株痕横に、天保2年(1831年)に植えられたという杉がある。これは男杉の古株から生じたヒコバエを植えたものといわれ、「神杉 天保二年 御郡御目附中村荘右衛門 植之」と刻んである植杉碑が建てられている。また、伐採された男杉は香りが高く、その一部を御笏の材料として仁孝天皇に献上したところ、おほめの言葉を頂いたとも伝えられている。
平成3年の台風19号により地上役11m付近から主幹が折損した。そのため保存を第一として土壌改良等賢明な養生を行ったが、やむなく枯死してしまった。残念ながら国の指定は解除となったが、地元にて「手野の大杉 保存事業期成会」を立ち上げ、折れ残った地上2.5mから7mを切断し、上屋をかけ平成14年に現在の姿となった。元国指定にふさわしく堂々とした貫禄の杉で、神の鎮まる神域を感じさせる。
平成17年11月 阿蘇市教育委員会(現地案内板より)
白蛇の桧
古くよりこの桧には白蛇が宿り時々姿を現すが、この白蛇を拝んだ(見た)者は運が開けると伝えられている。
この桧は良質目のある木で、この種のものは育ちにくくこの様に大きくなったものは日本全土で四本しかないと云う。(現地案内板より)
鯰宮
祭神:大鯰の霊
≪由緒≫
往古 阿蘇大神 国土草創、阿蘇谷の湖水干拓の時、湖の精と称する大鯰居て涸死す。因とその霊をここに祀られた。
古来よりナマズハダに祈りで霊験あらたかであると云う。
祭典:3月28日
(現地案内板より)
鯰社
健磐龍命が阿蘇の火口湖を立野の火口瀬を蹴破り干拓された時、大鯰が出現、阿蘇谷半分かけて横たわっていた。健磐龍命が鯰に向かって「多くの人々を住まわせようとして骨折っているが、お前がそこに居ては仕事も出来ぬ」と言われると、鯰は頭をたれて健磐龍命に別れを告げるように去っていったと伝えられている。
健磐龍命はその湖の精であった鯰の霊をまつると同時に鯰を捕ることをかたく禁じられた。
祭神が鯰の霊ということで、皮膚病ことナマズハダに霊験があり、今でも全快すると鯰の絵を書いて、神社に奉納する風習が残っている。
一の宮町(現地案内板より)
秋篠宮殿下行登記念植樹
秋篠宮殿下におかれましては、鯰のご研究の一環として当社及び鯰社をご視察ご参拝されました。これを記念し山桜を植樹する。(碑文より)
朴の木
朴の木(ほおのき)は、市指定天然記念物に昭和54年9月18日に指定されています。
夫婦石
当社の表参道より下り金毘羅神社への三叉路の真中にありたるを道路改修の砌に此処に移転した。手野の大杉(二本杉=女男杉)と共に男女一体のもので、御田歌の一つの基点として重要なものであった。昔より夫妻円満、和合を願う人々多し。(現地案内板より)
手野金毘羅神社
御祭神:金毘羅大神(大物主神、崇徳天皇)
≪御由緒≫
阿蘇大宮司(時代不詳)の夢に金毘羅大神を手野の宮川の川上に鎮斉の御告ありたるによりこの地に祀られたと伝えられ、阿蘇大宮司家の守護神として斉祀せられ国造神社の末社として地方民の信仰も大きい。
祭典:春祭(旧暦3月10日) 秋祭(旧暦10月10日)
宮川渓谷周辺のご案内
「外輪山から湧水集まる清流」
宮川渓谷周辺には、阿蘇開拓の神をまつる国造神社、また、その境内には2000年の樹齢をほこる「手野の大杉」を見ることができる。
なお、このあたりには旅人の疲れを温かなまごころと山菜料理でいやしてくれる「古代の里民宿村」がある。
しばし、時の流れを忘れ付近の探索を楽しんでいただきたい。
一の宮町 ASO一の宮観光協会(現地案内板より)