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黒川温泉・新明館

ご主人が自らノミと金槌で、3年間の歳月をかけて掘りあげた洞窟風呂や穴風呂や岩戸風呂などがあります。

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山の宿 新明館

所在地:熊本県阿蘇郡南小国町黒川温泉
立寄り温泉営業時間:8:30~20:30(受付終了)
立寄り湯は、岩戸風呂と洞窟風呂のみ入浴できます。
立寄り温泉料金:大人 ¥500-.
※黒川温泉露天風呂入湯手形の利用もできます。(3湯で¥1200-.)
泉質:ナトリウム塩化物硫酸塩泉
温泉:露天風呂:岩戸風呂(混浴)、風の湯(宿泊者 女性専用)、洞窟風呂(混浴)、洞窟風呂(女性専用)、内風呂(男女各1)、家族風呂1

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川の上に新明館専用の橋が架かっています。この橋の上からの川の眺めもいいです。
新明館は、日本秘湯を守る会の会員でもあります。日本秘湯を守る会のスタンプ帳があり、加盟店の宿に10軒泊まると一泊無料ご招待という企画もあるそうです。九州の日本秘湯を守る会の会員は、下記の旅館があります。熊本県は、黒川温泉の新明館と旅館山河。大分県は、山の宿寒の池地獄旅館と壁湯温泉旅館福元屋など。鹿児島県は、吹上温泉みどり荘、栗野岳温泉南洲館、妙見温泉おりはし旅館などがあります。詳細は、日本秘湯を守る会からのおしらせをご覧下さい。

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岩戸風呂

混浴露天風呂「岩戸風呂」混浴露天風呂は、新明館に向かって一番左奥にあります。

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トンネルを抜けると露天岩戸風呂があります。

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露天岩戸風呂

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背後は岩肌に守られ、表は川に面しています。

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川沿いにありますので、川のせせらぎもきこえますし、野鳥の姿もしばしばみかけます。湯上りに、川のせせらぎを聞きながらほてった体を冷まします。川もきれいで、魚が泳いでいるのがみえます。

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一番奥の混浴露天風呂 岩窟風呂の屋根の上の山のあたりに、お地蔵さんが祀られています。

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岩戸風呂

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穴風呂

混浴の穴風呂です。

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混浴洞窟風呂

洞窟風呂の中はもうもうと湯煙が立ち込めていて、自然のサウナ状態で体が芯から温まります。

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女性専用洞窟風呂

ご主人がノミと金槌で3年の歳月をかけて掘り上げた洞窟風呂です。岩肌がむき出しで、探検しているような気分になります。

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風の湯

裏山の中腹にある藁葺屋根の建物は、宿泊者女性専用露天風呂「風の湯」です。風の湯は、湯船の底には丸い石がごろごろと敷かれていて、足の裏のつぼを刺激して気持ちがいいです。木立から優しい日差しが差し込み、疲れも癒されます。

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田の神様

田の神様です。茶碗としゃもじを持っている豊作の神様です。

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4月の中旬~5月の初旬にかけては、山にたくさんのツツジが咲いて、山が錦色に彩られ大変美しく見ごたえがあります。

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鶏優先通路

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石畳の通路で各お風呂が繋がっています。

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各お風呂へと続く道を鶏がのんびりお散歩しています。冬になると鶏も火の近くに来て暖まっています。他のお客さんが「そんなに火に近づくと焼き鳥になるよ~」と鶏に言っていました。お風呂上りに囲炉裏で暖を取りながらのんびり休憩するのもまた楽しみのひとつです。

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囲炉裏

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薪を積んだ長閑な光景にほっとします。

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屋根付きの橋

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屋根付きの橋を渡ると囲炉裏料理の食事処庄屋があります。

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この階段を降りて、この通路を抜けたところに、色々な温泉があります。

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裏山や屋根に雪が残っていました。

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やはり、黒川温泉は何度行っても魅力があります。古き良きものを守りながらも、常に進化し、お客を喜ばせてくれる温泉地です。各々の旅館が創意工夫を凝らし、あったかい気持で迎えてくれます。豊かな自然に囲まれ、四季折々の美しさ、楽しさがあります。また今年も何度も黒川温泉に行きたくなりました。

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真綿色ではないシクラメンの花が咲いていました。

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軒先にはトウモロコシが吊るされています。

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新明館のご主人は今では大変有名な「黒川温泉の立役者」と言われる後藤哲也氏です。新明館の洞窟風呂は、後藤さんが敷地内の岩山をたったひとりでノミと鎚で数年の歳月をかけてくり抜き、完成させました。今では全国各地の温泉アドバイザーとしても活躍されているそうです。
なんどかお話を伺う機会がありました。一見普通のおじちゃんなんですが、温泉の話を始めると目がきらきらして、温泉への熱い思いと黒川を愛する気持がすごく伝わりました。温泉のみならず、景観も重視し、樹木の配置などにもかなり木を配っているようです。また、黒川温泉自体が地域ぐるみで植樹をし、地域自体の景観も守っています。
後藤哲也氏は「お客様本位、お客様重視」の観点で色々なことに取り組んでこられたそうです。「お客様の言葉に耳を澄まし、お客様が何を求めているか、お客様はどうしたら喜んでくれるか」をまず考え、それに基づき行動された結果が今の黒川温泉ブームになっているそうです。

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15年位前、鶏を眺めながら主人がお風呂から上がってくるのを待っていると、新明館の後藤さんが声をかけてくださり、気さくにお話をしてくださいました。その時、「岩戸風呂に入りたいけど、混浴だから入る勇気がないんです。女性客ももうひとつくらい別に楽しめるところがあるといいのですが…」などと厚かましいことを言ってしまいました。
その後、「風の湯」という女性専用のお風呂ができたのには驚きました。きっといつもお客さんに気さくに声をかけて、お客さんの生の声に耳を傾けていらっしゃる後藤さんに、私と同じような気持ちを伝えた方が多かったのでしょう。お客さんの希望や要望を確実に実現していく行動力はすばらしいです。後藤さんのお話や行動力は、旅館経営のみならず色々な面で勉強になりました。

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しろみの

黒川では昭和40年頃まで雨具として使用されていました。

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新明館物語

新明館には日本でもめずらしい洞窟風呂がありますが…それには、ちょっとやっそっとじゃ語られない物語があるのです。
ここの主人であるテツヤはある日突然、ノミとカナヅチで裏庭の石山を掘り始めました。コツコツコツコツ…毎日毎日、彼は「お客さんに喜んでもらおう」とただひたすらにがんばりました。十年後、洞窟風呂は彼の大きな手とあたたかい気持ちでやっと完成しました。そのテツヤがこのあたりにきっといます。大きな鼻と大きな耳、つぶらな目もとに幅広い唇、とても旅館の主人とは思えない風ぼうのテツヤをさがしてみてください。(現地案内板より)


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