黒川温泉・地蔵堂と地蔵湯
黒川温泉の開湯伝承ゆかりの首だけのお地蔵さんが祀られている地蔵堂と、開湯伝承の元湯、地蔵湯です。
地蔵堂
所在地:熊本県阿蘇郡南小国町黒川温泉
地蔵堂内には、黒川温泉開湯伝承縁の首だけのお地蔵さんが祀られています。
地蔵堂の由来
むかしむかし豊後の国の中津留というところに、貧しい塩売りの甚吉とその父が住んでおった。父は病気で甘瓜だけしか食べれんじゃった。しかしお金はなし、悪いこととはわかっていたが、甚吉は瓜を盗もうと思ったそうな。
ある日お地蔵様に、自分の商売にしている塩をほんの少しおそなえして、父の病気が早く良くなる事を願い売りを盗みにいくことを告げたんじゃ。覚悟を決めて瓜畑に入るやいなや地主に、すぱっと首をはねられてしもうた。しかしそこにには身代わりになったお地蔵様の首が落ちていたんじゃ。
そんなある日、肥後細川藩の修行者本田勝十郎というものが、肥後の国にこのお地蔵様をもち帰ろうとして、旅のとちゅう黒川で一休みしていたら、「ここに安置してくれ」としゃべりなさったそうな。村人はお地蔵様の首をまつり大切に守りづづけたそうな。するとある日この地より温泉がわきでるようになったとさ。これは昔から黒川に伝わるお話です。
(現地案内板「地蔵堂の由来」より)
地蔵堂には、使用済みの入湯手形が沢山奉納されています。
地蔵堂の左横の坂はいご坂です。
黒川地蔵湯共同浴場
所在地:熊本県阿蘇郡南小国町満願寺黒川温泉
営業時間:8:00~19:00(外来入浴の方)
温泉:内風呂:男女別々各1
黒川温泉開湯伝承の地蔵湯です。地蔵湯は黒川温泉の元湯として知られる共同浴場です。黒川温泉組合の駐車場の横のいご坂を下ったところにあります。坂を下って突き当たりの階段を下りるとすぐです。
こちらが、首なし地蔵の伝説で、湯が湧き出したと言われている場所です。古くから地元の方に利用されてきて、今も生活の場として大切に管理されていますので、私達観光客(外来者)は、マナーを守って利用しましょう。
外来入浴の方へ
地蔵湯浴場は黒川地域住民の生活の場です。
一、入場料を必ず投函して下さい
二、ご利用時間は午前八時から 午後七時までとします
※他人に迷惑をかける様な言動を行なう方、刺青をしている方はご遠慮ください。
(黒川地蔵湯管理組合)(現地案内板より)
蒸し箱
箱のようなものから湯気が出ているのは、温泉の熱と噴気を利用して、卵を蒸し、温泉卵などを作る蒸し箱です。温泉の蒸気と熱を利用した蒸し器です。
お地蔵さん
新明館の奥の方の上の崖に、お地蔵さんが祀られています。
いご坂
まだうっすらと雪が残るいご坂を下駄をからんころん鳴らして散歩したいですね。このいご坂を下りていくと川端通りや地蔵湯があります。黒川地蔵湯共同浴場は、このいご坂を下りた突き当たりの階段下です。