熊本大学五高記念館
この建物は、フランスで建築を学んだ山口半六の設計になるもので、明治22年に完成しました。西側廊下を設けて、熊本の西日を避け、南には特徴ある階段教室が設けられています。イギリスのクィーン・アン様式に習ったといわれます。赤煉瓦造りの本館は、化学実験場、表門及び設計図とともに、国の重要文化財に指定されています。(昭和44年8月19日指定)
所在地:熊本県熊本市中央区黒髪2丁目40番1号
開館時間:10:00~16:00
休館日:火曜日・国民の祝日・12/28~1/4
旧制五高高等学校本館・科学実験場の概要
建物面積:本館:1806平方メートル・地下2階
実験場:419平方メートル・地上1階
建物:煉瓦組積造
旧制第五高等学校の赤煉瓦の本館は明治22年に完成し、以来100年以上の風雪に耐えながら、今なお優美な姿をとどめています。本館は、かつては五高の、昭和24年以降は熊本大学の象徴として、今日も人々に親しまれており、平成5年より「五高記念館」として一般公開されています。
この公社では、夏目漱石をはじめとする多くの優れた個性あふれる教師が教鞭をとり、またここから、池田勇人・佐藤栄作の二人の総理大臣をはじめとする多くの有為の人材が各界に送り出されてきました。ちょっとタイムスリップして、かつての旧制高校の学生生活を心行くまで味わってください。
また、本館では平成11年より、毎年10月~11月に「五高記念館公開講座」を開いています。(五高記念館パンフレットより)
煙突
五高祈念館の建物を外から見ると煙突がついているが、中に入ると見当たらないので、不思議に思う人が多い。しかし、各教室の壁にはこの柱のように膨れた構造があり、これが煉瓦を積み上げた煙突で、屋根の上まで続いている。上部の丸い蓋のしてあるところに穴があり、そこに室内に設置したストーブのブリキ製の煙突を差し込んで使用した。また、下部には煤受けの引き出しがついている。この建物は、現代の鉄筋コンクリートと異なって、赤煉瓦を積み上げた厚い壁で支えられた構造だから、柱は存在しないことに注意して観察してほしい。
煉瓦と石の建物は冷え込みが厳しい。冬になると、毎朝早くに担当職員が1俵の木炭を熾し、朝7時頃から各教室のストーブに火種として入れ、石炭に着火させて部屋を緩めた。それでも石炭が足りないまたは、いたずら心もあって机や下駄まで燃やした話も伝わっている。
昭和19年からは、戦況の逼迫によって石炭の入手が困難になり、暖房のない教室で授業が行われた戦後、さらに熊本大学になってからもストーブは設置されなかったから、煙突の中には五高時代の煤が残っている。(現地案内板より)