熊本城・本丸御殿の金具と畳
本丸御殿には、様々な飾り金具や、高級畳などが設えられています。
桔梗紋がデザインされた釘隠し
この金具は長押(なげし)などの和釘を隠すために用いる飾り金具で、釘隠しと呼ばれています。
こちらの釘隠しは、桔梗紋がデザインされています。加藤家には複数の家紋があり、戦時は蛇の目紋、慶事は桔梗紋と使い分けていたそうです。
熊本城のあちこちで様々な釘隠しをみることができます。釘隠しは、部屋の格に合わせてデザインされています。
六葉釘隠し
大広間には、菊(朝廷)、桔梗(加藤家)、桐(豊臣家)の紋が刻まれたものが使われています。
墨刺し六葉釘隠し
昭君之間と若松之間の釘隠しは、職人が一つひとつ手作りした釘隠しが使われています。この釘隠しは六葉釘隠しに、文様の美しさを際立たせる「墨刺し」という技が施されています。技術が高い職人さんがひとつひとつ手作りしたものです。
廊下にも釘隠し
昭君之間の六葉釘隠し
杉戸の引手も凝っています。左は外が黒縁、右は中央の背景のみ黒です。さりげなくおしゃれですね。
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菊の紋がデザインされた引手金具
襖の引手金具も凝ったデザインが施され、豪華な見栄えです。熊本城本丸御殿のあちこちに、匠の技が光っています。
襖の引手金具
襖の引手は、襖の開閉の際に襖紙に直接手が触れるのを防ぎ、手垢などが付かないように、襖紙の汚れをを防ぐ役目を果たしているのみならず、襖のワンポイントとなり、装飾効果もあります。
絵が描かれていない杉戸も豪華な引手で重厚感が増します。やはりこれだけ豪華な引手だと、襖も部屋も華やぎますね。右側の引手には、菊の御紋がデザインされていますね。
昭君之間の飾り金具
漆塗りなどの場所に施されている金具や金飾りも大変手が込んだ美しいものです。
新しい畳の香りってすごくリラックスしますね。 できることなら、昭君之間の畳の上にねっころがって、一日中天井絵を眺めていたいです。
熊本城の本丸御殿の大広間には、熊本県で育てられた品種「ひのみどり」で織り上げた、 最高級畳表ひのさらさが使用されています。 ひのみどりは、一般の品種よりも茎が細く、面のきれいな畳表が製織できる品種です。 ひのみどりは、10年かけて育成されます。大変手間隙がかけられています。
熊本城本丸御殿の復元に際して用意された畳は、全部で580枚。一般の部屋には「きよなみ」という品種の畳が使用されています。昭君之間と若松之間には、県内最高品種の「ひのみどり」で織り上げた、最高級畳表「ひのさらさ」が使用されています。
ひのさらさは、ひのみどりを更に厳しい加工基準で織り上げた最高級畳表です。絹織物の更紗(さらさ)の様になめらかで、肌理が細かいので「ひのさらさ」と命名されました。
きっちり絵柄が合わさっている畳の縁
熊本城本丸御殿昭君之間の畳 / 熊本城本丸御殿の25室の部屋には、580枚の畳が敷かれています。 小紋柄の畳の縁の模様まで、きっちり絵柄が合わさっています。匠の技ですね。
熊本県の畳表の生産量は日本一です。全国の生産量の9割を占めます。 また熊本県は、500年以上のいぐさ栽培の歴史があり、大変質の高い畳表が作られています。