熊本城・本丸御殿の大御台所
大きな囲炉裏や土間には竃があります。緻密な小屋組みも見所です。
二つの囲炉裏や土間、竃があります。火をおこす部屋の為、小屋裏は煙出しのある吹き抜けになっています。
囲炉裏(いろり)が二つあります。左(手前)のいろりは、構造が解りやすい様に、中を空っぽにしています。囲炉裏の一部には、闇がり通路の発掘調査で出土した当時の部材が使用されているそうです
本丸御殿大広間 大御台所は、当時は本丸御殿大広間の完成後に増築されたのではないかと考えられているそうです。本丸御殿大広間での宴席などの食事を賄っていたと考えられています。
土間には竃があります。
江戸期の本膳料理
万延元年(1860年11月、花畑屋敷で、熊本藩主細川慶順(1835-76)初入国の御祝御膳が行われました。その初日、慶順およびその弟子(護久・護美)の3人に供された本膳料理二汁七菜です。この後、御酒、御菓子等に続き、後御菓子には同藩の献上品だった朝鮮飴が供されました。(現地案内板より)
大きな囲炉裏や土間には竈があり、火をおこす部屋の為、小屋裏は煙出しのある吹き抜けになっています。2尺1寸(63.6cm)の大きな丸太を使った梁組が丸見えの天井はダイナミックで、木の生命力の強さを感じました。
とにかく大きな梁に驚きます。直径1m、長さ12mもあるそうです。この大きな梁に使われた木は、樹齢約150年の熊本県人吉の球磨産の赤松だそうです。
大御台所の床材は檜(ひのき)が用いられ、梁は国産の赤松が用いられています。大御台所の囲炉裏の間の上部の梁組は、大きく存在感があります。
いろりの煙などが上手く排出されるような吹き抜けの構造になっています。
緻密な小屋組みが一望できます。
本丸御殿大広間に入ると、爽やかな木の香りが漂い、香りにも癒されました。
人吉・球磨地方を中心に切り出してきた赤松の木が梁に使われています。
手斧はつり
赤松の梁の表面に鱗状の削り跡が見えます。これは手斧はつり(ちょうなはつり)と呼ばれる技法です。
縦横約10mに渡る梁と、その上に組まれた小屋組
大工さん方の職人技と誇りが光る大御台所の柱組
梁と柱を継ぐのには、釘や接着剤を使わずに材木を継いでいく工法「継手仕口」が使われています。
大御台所裏手から
井戸
熊本城本丸御殿の大御台所の裏手に井戸があります。
清正公は、朝鮮出兵の際の苦しい経験から、熊本城を築城する際は、籠城の備えを徹底していたようです。その一つが井戸であり、熊本城内には120以上もの井戸が掘られたといわれています。その内17の井戸が現存しています。これらの井戸は、飲料水確保の目的だけではなく、築城工事に必要な地盤のボーリング調査の意味もあったようです。