芦屋釜
芦屋釜の里
所在地:福岡県遠賀郡芦屋町山鹿1558-3
芦屋釜は、筑前国芦屋津(現・芦屋町)で育まれた鉄製の茶の湯釜です。京の貴人達の間で、一世を風靡しました。芦屋釜は単に湯を沸かす鉄釜ではなく、美しい造形で鑑賞に堪えうるだけの美の域にまで昇華せました。真形とよばれる端整な形と、胴部に表される優美な文様は普遍的な美しさを持っています。それらは茶人に愛蔵され、現在に至るまで名品として受け継がれています。
芦屋釜は鎌倉時代末頃から制作が始まり、室町時代には茶の湯釜の名器として一世を風靡しました。「釜といえば芦屋」との評価が定着していました。その歴史は江戸時代初期に終わったと言われていますが、芸術性、技術力に対する評価は今尚高く、国の重要文化財に指定されている9つの茶の湯釜の内8個までを芦屋釜が占めています。
芦屋釜の形と文様
微妙に反った口部、肩から胴にかけてなだらかに下りる曲線、丸みを帯びた羽。芦屋釜の形は、「真形」と呼ばれ、最も基本的で美しい形です。また、胴部には、自然の風景や動植物、幾何学文など、様々な文様が描かれています。芦屋釜は、室町時代、京の貴人たちの間で一世を風靡しますが、その最も大きな要因は、その美しい形と文様であったと考えられます。(現地案内板より)