国指定重要文化財 旧松本邸
一般社団法人 西日本工業倶楽部
所在地:福岡県北九州市戸畑区一枝1-4-33
国指定重要文化財 旧松本家住宅(西日本工業倶楽部)は、ハーフティンバースタイルとアールヌーヴォー様式が特徴であり、明治41年から44年にかけて松本家の住宅と学校の迎賓館を兼ねて建てられたものです。
着工:明治41年(1908年)
竣工:明治44年(1911年)
建築面積:洋館 624.9平方メートル・日本館 466.1平方メートル
洋館は木造二階建・スレート瓦、日本館は木造一部二階建・瓦葺で、洋館と日本館は渡り廊下で繋がっています。
重要文化財(建造物)旧松本家住宅
洋館・日本館・壱号蔵・弐号蔵 四棟
附 東渡廊下一棟・棟札五枚
昭和47年5月15日指定・昭和57年2月16日追加指定
この建物は、わが国産業界の重鎮・松本健次郎(1870年~1963年)の旧宅で、大規模な洋館と日本館、数棟の付属室からなる明治後期の典型的な貴紳士住宅です。
洋館の設計は、明治から大正にかけて数多くの作品を残している日本近代建築の先駆者・辰野金吾(1854年~1919年)の主宰する辰野・片岡事務所が当たり、日本館の設計は、洋館の監督指揮をした久保田小三郎が行いました。洋館の外観は、絵画的な建築様式をとり、ハーフティンバー風の壁画とアール・ヌーヴォーの細部意匠にその特徴があります。
日本館は、車寄玄関を持つ書院造りの建物で、大座敷・中央書院の二つの座敷をはじめ多くの居室があります。約1.3ヘクタールの広大な庭園の中に静かな佇まいをみせるこの和洋併設の住宅は、当時のまま現存する全国唯一の例として貴重であり、特に洋館は、明治の洋風住宅の到達点を示す名建築として高く評価されています。
【上棟】洋館・蔵:明治43年(1910年)8月13日・日本館:明治42年(1909年)10月11日
【建築面積】洋館:624.9平方メートル・日本館:466.1平方メートル
北九州教育委員会(現地案内板より)
辰野金吾
辰野金吾(1854年~1919年)は、明治時代の代表的な建築家です。工部大学校造家学科(現 東京大学工学部建築学科)の第一回卒業生です。また、東京大学工学部建築学科の教授も務められました。
辰野金吾が設計した代表的な建築物は、東京駅(1914年)、日本銀行本店(1896年)、第一銀行京都支店(1906年)など数多くあります。九州では、日本生命九州支店(1909年)、百三十銀行八幡支店(1915年)、武雄温泉新館・楼門(1914年)、二十三銀行(1913年・現・大分銀行赤レンガ館)など
洋館
洋館の外観は、絵画的な建築様式をとり、ハーフティンバー風の壁画とアール・ヌーヴォーの細部意匠にその特徴があります。
洋館の窓からは、庭園がよくみえます。つつじがたくさん植えられていますので、春は華やかさを増し、かなり見ごたえがあります。二階の和室の窓からは、庭園全体がよくみえます。
旧松本邸の一般公開
旧松本邸(旧松本家住宅)は、毎年春(4月~5月頃)と秋(10月~11月頃)に一般公開されます。一般公開は無料ですが、事前に往復ハガキで申し込みをし、その返信ハガキが入場券となります。
返信ハガキの入場券がありませんと入場できませんのでご注意ください。毎年、入場券が必要なことを知らずに訪れる方がいらっしゃって、市外などの遠方からわざわざみえたのにも関わらず、入場できな方を見かけます。大変気の毒ですが、やはり決まりなので止むを得ないようです。一般公開の約1か月前位に市報や北九州市のホームページや西日本工業倶楽部のホームページ内に一般公開の日時にや応募要項等が掲載されます。
一般公開の際は、洋館1階のホールで、バイオリンやピアノなどのクラッシックコンサートが催されたりします。また、洋館の方の庭園では、珈琲または紅茶とケーキのセット、日本館の方の日本庭園では、抹茶と和菓子を頂くことができます。
大きな木
ステンドグラスが見えます。
日本館から見た洋館
日本館
日本館は、車寄玄関を持つ書院造りの建物で、大座敷・中央書院の二つの座敷をはじめ多くの居室があります。