建設部材に使われる木
北九州イノベーションギャラリー
所在地:福岡県北九州市八幡東区東田東田2丁目2番11号
2017年4月15日から2017年7月9日の間、「木・和・美の技『木創りの道具たち』」展が開催されました。
古来より木の機能美を活かした様々なものづくりの中に、その伝統が脈々と引き継がれ、更なる発展につながっています。日本に伝わる「木のものづくり」で「技」を極めるための道具などを、竹中大工道具館のご協力もいただき、約340点展示されていました。
様々な木の木目
中央が四方杢、その上下が二方柾、四方杢の左右が板目、板目の上下が四方柾です。
丸太から材木を切りだしたとき、どのような木目ができるのか、木を取り出して、それぞれの面をながめてみよう。(現地案内板より)
建築部材に使われる8種の木
建築部材に使われる檜・地松・櫤・欅・小国杉・米栂・栗・楠の8種類の木と、各々のおが屑が展示されています。触ることもでき、各々の木の肌触り、香りを確認することが出来、大変興味深かったです。
檜
ヒノキ
美しい木肌と手道具による加工のしやすさ、優美な香りを併せ持つ建築用材の代表、檜が持つ高い耐久性を生かし、千年の風雪に耐える木造建築をつくってきた。(現地案内板より)
地松
ジマツ
葉や実を含めて幅広く生活に利用されることから馴染み深い木。粘り強さを生かし梁にしたり、豊富な油分を利用して滑りやすさが必要な敷居に利用される。(現地案内板より)
櫤
タモ
強度と粘りがあり、均等な木目で家具材や曲げ木に適している。はっきりした木目で、独特な匂いが特徴。(現地案内板より)(現地案内板より)(現地案内板より)
欅
ケヤキ
独特な力強い木目太く生長して強度もあり、大規模な建物の材としても有用である。江戸時代の寺社建築や古い民家の大黒柱などに、欅が多く使われる。(現地案内板より)
小国杉
オグニスギ
まっすぐで端正な木目をもち、加工しやすい。柱や建具、天井板など用途は多岐にわたる。小国杉は艶と粘りがあり、年とともにあめ色へと風合いが増していく。(現地案内板より)
米栂
ベイツガ
針葉樹の中では比較的硬く強度があり、柱や土台などの建築材として用いられる。濃淡の差が顕著で鮮やかな木目をもつ。(現地案内板より)
栗
クリ
水に対して強い性質をもち、土台として利用されることが多い。釿のはつり痕を意匠的にみせた名栗と呼ばれる仕上げで利用される木でもある。(現地案内板より)
楠
クス
比較的柔らかい広葉樹で、木彫や家具などにも加工される。強い匂いが特徴で、樟脳の原料となる。(現地案内板より)
桁
普段見ることができない木と木の接合部にこそ、大工の技が凝縮されています。「継手」・「仕口」と呼ぶこの接合部の精緻さと多様さに、ご注目ください。(現地案内板より)(現地案内板より)(現地案内板より)
丸柱
規矩術を用いて墨付けされた様子がわかります。丸太から製材された角材(四角形)を八等分→十六等分→三十二等分と細かくしていくことで円柱に加工されていく過程にご注目ください。(現地案内板より)丸柱
継手
金輪継ぎ
大阪城大手門継手
土壁
壁の仕様は建物全体の雰囲気に合わせて決定されます。古来日本では中国の漢字書体から派生した「真行草」の概念を形態論として用いました。座敷をつくる時、土壁を使うことは「行」または「草」を意味しますが、更にその中でも真行草の格式を使います。これを「行の草」や「草の真」などといって使い分けるのです。たとえば、角柱に竹で下地窓が造られていれば「真」と判断し、目の細かな水捏ね仕上げでピン角に仕立てるのです。(現地案内板より)
薬師寺東院堂 一部1/2模型
鎌倉時代に建てられた薬師寺東院堂の一部を2分の1の縮尺で製作。材料は吉野檜を使用。繊細に反り上がった平行垂木がつくる深い軒先が日本建築の特徴。桔木という太い材を入れることで、これを実現した日本独特の小屋裏の工夫をみることができる。長押と格天井による日本的な天井も再現している。(現地案内板より)