小倉城庭園の庭
小倉城庭園
所在地:福岡県北九州市小倉北区城内1-2
池泉回遊式庭園の小倉城庭園は、池を巡りながらさまざまな景観が楽しめます。池面が周囲よりかなり低い、いわゆる「のぞき池」となっているのが特徴です。「浮見の庭」とも呼ばれ、書院の広縁から庭全体を見渡すことができます。
小倉城庭園は北九州市が再現したものです。
設計者:北九州市と日向進氏(京都工藝繊維大学教授)とアトリエサワ
構造:木造地上1階
延床面積:460平方メートル
日向進氏は、茶室に学ぶ、日本建築の粋、近世京都の町・町家・町家、大工京都の赤レンガなどの書籍を出版されています。
庭園は池泉回遊式で、四季折々の花々や木々など自然を楽しむこともできます。池泉回遊式庭園とは、江戸時代に発達した日本庭園の一様式です。池とその周囲を巡る園路を中心に作庭したものです。清流が滝から渓谷を下り、海に見立てた池へと流れます。草木が繁り、花が咲き、鳥がさえずり、池には魚が泳ぎ、蛙の鳴き声も聞こえます。
池泉回遊式庭園で有名な庭園は、桂離宮・金沢兼六園・六義園・徳川園・平安神宮・青蓮院などがあります。
広縁から眺める庭も素晴らしいのですが、庭を散策すると四季折々の美しさをより身近に感じます。
橋
小倉城庭園には3つの橋がかかっています。
池に架かる二つの橋
沈み橋
池の中に沈んでいる石橋が沈み橋です。ずっと昔、この池は海と繋がっていたそうです。干潮の時は、沈み橋も姿を現し、渡る事ができたそうです。
広縁からゆっくりと庭を眺め、その後庭におりて庭を歩きながら植物や池の生き物を眺めたり、景観を楽しむとあっという間に時間がすぎてしまいます。
主人と広縁でのんびりしていると、どこからともなく、「お゛~お゛~」とおじさんのような声が聞こえました。ふと周りを見渡しましたが観覧客の女性が3人と係の女性の方、男性は主人だけなのです。「おかしいな~」と耳を澄ますと、その声は池の中から聞こえてきました。その声は、ウシガエルの鳴き声だったのです。こんな町中でもウシガエルがいることに吃驚しました。後で係りの方が教えて下ったのですが、ウシガエルのおたまじゃくしはかなり大きいそうです。時々ウシガエルの姿をみかけることもあるそうです。
四季折々の花が咲き、6月は山法師、菖蒲、紫陽花、毒矯みの花などが咲いていました。秋の紅葉の時期もまたすばらしい眺めです。冬の雪が積もった庭もいいです。春はたくさんの花が咲き、夏は新緑といつ伺っても楽しめる場所です。
やまぼうし
この白い花はやまぼうしです。庭にたくさん咲いていました。
やまぼうし(山法師)は、ミズキ科ミズキ属です。5月~6月に咲くこの白い花が十字架のようにもみえると言われています。秋には、やまぼうしの葉は紅葉し、華やかな赤で庭を彩ります。ちなみに花言葉は、「友情」です。
階段の横、手前の白い花が咲いている木がやまぼうしの木です。
紫陽花
ミズキ目 アジサイ科 アジサイ属の落葉低木です。この花は、ガクアジサイです。
ドクダミ
コショウ目 ドクダミ科 ドクダミ属の多年草です。
別名、ドクダメ(毒溜め)、ギョセイソウ、ジゴクソバ(地獄蕎麦)。
ドクダミ(毒矯み)の名は、毒を押さえることから由来しています。
ドクダミは白く美しい花を咲かせますが、独特の匂いがします。この特有の臭気成分は、フィトンチッドで、抗菌作用・抗カビ性があります。また、化粧水にも利用されます。
ドクダミの開花期の地上部を乾燥させたものは十薬と呼ばれ、漢方薬として使われます。利尿作用、高血圧、動脈硬化の予防作用などがあります。
花の色、形、香り、生き物の動き、庭を吹き抜ける風が心地よく、穏やかな気持になります。街の喧騒のすぐそばに、こんな空間があるなんて素敵です。小倉城庭園は、大変交通の便利のいいところにありますので、お近くの方は是非お出掛けしてみてください。お買い物やお出掛け序に、ちょっと足を伸ばしてみてください。