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小倉城庭園書院棟

小倉城庭園

所在地:福岡県北九州市小倉北区城内1-2

日本の伝統的な書院造りの本格的木造建築物です。上段の間、一の間、二の間、取次の間などからなり、それぞれ18畳の一の間と二の間は、襖と欄間で仕切られ独立した座敷として使用することができます。

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書院ゾーン

書院造りとは、室町時代に完成した住宅建築様式のことです。現在の日本家屋の原型となる建築様式と言われています。棟の中に書院を取り入れ、格式を意識した高級な住宅建築様式で、室町時代に完成した様式だといわれています。内部は完全な部屋に分かれ、接客空間が独立し、主殿、広間として立派につくられ、主座敷は上段の間とし、ほかに玄関が設けられています。

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座敷飾りの床、違い棚、書院などを備えた座敷などがあり、柱は四隅の面を取った角柱で、畳を敷き詰め、建具は引き違いになっています。

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一の間の掛け軸は四季折々にあったものを掛け換えられているそうです。この日の書は、「一口吸尽西江水」と書かれていました。禅の「一口吸尽西江水を踏む」という言葉で、 弟子が仏法の本質を尋ねたところ師匠が「一口で西江の水を吸い尽くしたら解るだろう」と答えたという話からきているそうです。人という部分が自然の代表である「江」という全体と一体となった時、初めて真理が見える。というような壮大な意味が込められているそうです。西江は、揚子江のことです。また、「一口吸尽西江水 洛陽牡丹新吐蘂」と続きます。
広い大地が雨水を吸い込んで地下に蓄え、一切を飲み尽くし根絶された無の世界から忽然と大輪の牡丹の花が咲き誇ってくる。無で終わるのではなく、そこからみごとに有の世界へと変化するというような意味も含んでいるそうです。そのようなことから、6月に相応しい掛け軸として選ばれたそうです。

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床の間という座敷を飾る専用の空間に、掛け軸や香炉など置き方が規定され、花もまた床の間を飾る美術品と同様に考えられるようになったそうです。

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いけばなも各流派の先生方が順番に活けてくださっているそうです。いけばなの始まりもこの書院造りに深く関わりがあり、室町時代、この書院造りの床の間の飾りとして、たて花という最初のいけばなの形が生まれたそうです。

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畳の縁

畳の縁の柄がぴたーっと合っています。

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この畳の縁にもひまわりがデザインされています。この畳縁は、高麗縁と呼ばれ、大小の地紋を織り込んだデザインとなっています。畳は、和室の床に用いられる伝統的な建築材料ですが、住文化の中で世界に例を見ない、日本独自に発達してきたものです。そして日本の風土に適しています。畳の特徴として、弾力性があり、丈夫で、程よい柔軟性と硬さがあり、吸放湿性があり、断熱保温性があり、床衝撃音遮断性があるなど、くらしの知恵が凝縮された建築材料です。

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一の間と二の間では、畳も畳の縁も違います。

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建具の開け閉めで部屋の広さを変えることができます。

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格天井

天井は格天井になっています。敵が屋根裏から攻めてきたときも刀が刺さりにくい工夫が施されているそうです。

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欄間

襖の上には欄間が設えられています。欄間からも風が通り、光が差し込みます。日本家屋は、採光と陰影、風が通り空気が流れ、よどみまない工夫がされています。鴨居と天井の間を壁で塞がずに欄間にすることで、空気は流れ、光が広がります。

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現在の襖とはかなり規格が違い、広い立派な襖です。この襖の引手金具にもひまわりがデザインされています。

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襖の引手金具

襖の引手金具もひまわりがデザインされています。

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この引き戸は竹籤でできていますので、風通しがよく涼しいです。そして光を部屋に取り入れる効果や虫除けの効果もあります。また引き戸の開閉により、風の通り道が出来ます。湿度の高い日本ならではの工夫です。透けて見える庭も乙なものです。

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見逃しがちなところにも、様々な工夫やデザインが施され、生活の知恵が生きています。自然の風を感じ、優しい自然光に包まれて、畳の上で大の字になってお昼寝したいです。

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欄間(部屋と部屋の仕切りの上部)の板も開閉することができます。

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廊下

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火灯窓

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六葉釘隠し

柱のつなぎめなどにある釘隠しです。北九州市の市花ひまわりがデザインされています。この釘隠しは、全体のバランスを考えて、釘を使用していないところにも取り付けらています。

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釘隠しにもひまわりがデザインされています。

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また、広縁の一部が池に張り出す懸造り(かけづくり)になっているので、眼下に広がる庭の眺めが楽しめます。

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広縁から小倉城が見えます。

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